アリアナ・グランデの最新曲を紹介、海外の反応と共に2018年を振り返る

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「歌姫」という言葉を聞くと、私の頭の中には数人の名前が思い浮かびます。

カーリー・レイ・ジェプセンやレディー・ガガなど様々な女性アーティストの名前が挙げられると思いますが、その中に間違いなく入り込んでくる名前が「アリアナ・グランデ」ではないでしょうか。

まだ20代ながら、現代のポップス・シーンに必要不可欠な彼女。今回は、2018の彼女の活動をリリースされた新曲やアルバムを通して振り返ってみましょう。

興味ないかもしれませんが、彼女の音楽と私の出会いを少し書かせてください。

私が初めて聴いた彼女の曲は「Break Free ft. Zedd」。クラブでヘビーローテーションされていたのがキッカケで、私がゼッドにハマっていた頃に出会った曲です。

とても力強く、レーザービームのようなピンッとしたピッチ。それでいて「人」を感じる肌触りの歌声。現代のレコーディング技術を使えば、音痴でもプロのようなボーカルトラックを作り上げることができますが、彼女の歌声はそんな疑いを抱く余地もないほど魅力的で、一瞬にして虜になりました。



アリアナ・グランデの最新曲をチェック

2018年、精力的に活動したアリアナ・グランデはアルバム『Sweetener』発売後に2曲の新曲もリリースしています。

タイトルは『imagine』『thank u next』アルバムとは対照的に、どちらも恋愛を題材にした、彼女の個人的なメッセージがふんだんに盛り込まれた曲です。

imagine

『imagine』は小刻みなスネアビートとコーラスワークが全体を通して楽しめる1曲。思いを寄せる1人の男性に対して膨らむ理想が歌詞に書き出されています。

恋人との二層の世界を思い描き、「想像(imagine)してみて!」と最後は相手に訴えかける詩は、等身大の20代女性の心情を映し出しています。

全体的に力の抜けた歌声で歌われるこの曲ですが、曲が盛り上がりを見せる頃に聞こえてくる、彼女のホイッスルボイスは女性の心の叫びを見事に体現、歌詞と歌声のシンクロを目の当たりにできる瞬間です。

 

海外の反応

音楽メディア「the musical hype」

愛に飢えたアリアナ・グランデから飛び出す言葉は、男女関係に焦点を当てたものとなっている。そして、現代的なシャレたプロダクションがこの気持ちとうまくマッチしている。

YouTubeのコメント

  • こんなレジェンドと同じ時代を生きれてとても幸せだ。
  • 私にこんなホイッスルボイスができるかな?想像(imagine)してみて。

thank u next

『thank u next』は少しゆとりのあるビートの間を縫うように浮遊感のあるベース音がうねりを見せます。

この曲の歌詞は名指しで過去に付き合った男性に感謝の気持ちを述べるという、赤裸々な内容。

ポイント

歌詞には「Sean」や「Malcom」といった名前が出てきますが、これは彼女が実際に付き合っていたラッパーのビッグ・ショーンや2018年に他界したマック・ミラー(マルコム・マックコーミック)を指していると考えられ、ノンフィクションな歌詞となっているようです。

日本のトップチャートに食い込む音楽にはなかなか見られない歌詞ですね。『imagine』とは対照的に、どこか吹っ切れた、前向きな女性の心情を歌っています。

20代の女性の「過去」と「現在」に対する価値観の違いがこの2曲を通して如実に表れています。

 

海外の反応

音楽レビューサイト「Pitchfork」

この過去に失ったものに向けて歌われた曲は、過去のボーイフレンドを非難するものではない。愛、感謝、受け入れ、誠実さ、許し、そして成長を歌ったものだ。

YouTubeのコメント

  • 彼氏ができたこと無いけど、この曲を歌うわ。
  • この曲を聴くと、今付き合ってる4人のボーイフレンドをフッてしまいたくなるわ。

 



アリアナ・グランデのこれまでの経歴

まだ25歳という若さのアリアナ・グランデ

幼少期から歌うことが大好きだった彼女はミュージシャンではなく、女優としてキャリアをスタート。ミュージカルの舞台で歌唱力に磨きをかけていきました。

メモ

ある時、子ども番組専門チャンネルのシットコム「ビクトリアス」の重要な役に抜擢されその知名度を上げます。

それでも、彼女の中には歌いたいという気持ちが強くあり、2011年に歌手デビュー。そこから間もなく、ヒットチャートの常連組に仲間入りを果たし世界でライブパフォーマンスを行うまでに。

2013年に初来日。2015年には単独ライブと国内最大級音楽フェス「サマーソニック」に出演しています。2017年にも三度目の来日を果たし日本語を話す彼女の姿が話題になりました。

 

2017年のマンチェスター公演

そんな2017年のワールドツアーの1つ、5月22日のマンチェスター公演にて、彼女に大きな事件が起こりました。
公演終了後観客の1人が自爆テロを起こしたのです。

犯人を含める23人が死亡、59人が負傷という多くの犠牲者を出した悲惨な事件として世界中のメディアで取り上げられました。

ポイント

この事件で、アリアナ・グランデ本人もかなり精神的なダメージを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されました。

事件後、チャリティーコンサートOne Love Manchester」が開催され、このコンサートにはマイリー・サイラス、ジャスティン・ビーバー、ファレル・ウィリアムス、ケイティ・ぺリー、コールドプレイ、リアム・ギャラガーなどの世界的アーティストがパフォーマンスしました。

 



アリアナ・グランデの2018年

それでは本題に入りましょう。

2018年はアリアナ・グランデにとってどのような1年だったのでしょうか?深い悲しみを抱えた2017年を乗り越え、とても精力的な活動が目立った2018年。

まず注目すべきは、8月にリリースされたニューアルバム『Sweetener』

傷ついていた彼女にとってこのアルバムが、今までリリースしてきたアルバムとは違う意味を含んだ作品になったことは間違いないでしょう。サウンド自体も、それまでの作品と違った印象で、悲しくもどこか解放的で、流行に囚われない作曲が垣間見えます。

参考

2019年2月10日(日本時間では2月11日)に開催されるグラミー賞の最優秀ポップ・アルバム賞にノミネートされている『Sweetener』

収録曲の『God is a woman』も最優秀ポップ・パフォーマンス賞にノミネートされているなど、高い評価を得ているアルバムです。

 

アルバム収録曲紹介

『Sweetener』の収録曲をいくつかご紹介します。

no tears left to cry

「もう流す涙はない」というタイトルの1曲。

マンチェスターでの惨劇後、初のシングルということで、悲しいバラードを想像した人も多いはずですが、蓋を開けてみると、アップビートなEDMを踏襲した力強い1曲でした。悲しみから立ち上がり、前進する彼女の前向きな姿勢が歌われています。

車の運転中にこの曲がラジオから流れてきて、そのカッコイイサウンドに驚きました。誰の曲か分からなかったので、車をコンビニに停め、慌ててスマホの楽曲認識アプリで調べたことを鮮明に覚えています。

 

海外の反応

音楽レビューサイト「Pitchfork」

One Love Manchesterの最後に『Over the Rainbow』のカバーを披露し、涙を流したアリアナ・グランデ。1年の月日を経て、『no tears left to cry』のアートワークでは虹が彼女の顔を優しく彩っている。

『One Last Time 』 から『Be Alright』のような2ステップの音楽へ移行していく彼女だが、このようなゴスペルの歌声を絡めたガレージのビートを貫いたことで、他のアーティストの一歩先を行く結果をもたらしたのだ。

YouTubeのコメント

  • てっきり悲しい曲になると思った。
  • 現代を生きる最高のボーカリストだ。

 

God is a woman

グラミー賞にノミネートされている楽曲です。「男性は女性に生かされている」そんなメッセージを終始訴えてくる1曲です。

性的な描写もありつつ、女性の社会的地位向上を示唆するような場面がミュージックビデオに映し出されています。

全体を通して神々しいMVの中の彼女はまさしくディーバ(歌姫、女神)そのもの。個人的には、最近観たMVの中ではナンバーワンの傑作です。

 

海外の反応

アメリカの経済誌「Forbes」

彼女はこの曲を通して、自分の力を完全にコントロールしていることを証明している。
彼女の御家芸であるファルセットは潤ったコーラスに散りばめられ、ヴァースではその影を潜めているのだ。
英雄的な女性ボーカル+トラップビート。それを食べやすいサイズ感で曲にするという、とてもシンプルな勝利の公式だ。

YouTubeのコメント

  • 教会の聖歌隊と歌うのに最適な曲だ。
  • これは新興宗教?入会したいんだけど。

 

breathin

隙間をユッタリと確保したビートで始まる曲。

サビ部分では、ドラムはタイトになり、ロックビートをキープします。小細工はせず、アリアナ・グランデのボーカリゼーションを際立たせているように感じます。

本人曰く、テロ事件後のPTSDへの不安を綴った歌詞とのこと。このアルバムでは『no tears left to cry』の前向きな姿勢の裏にある不安な側面を表す役割を果たしているのでしょう。

 

海外の反応

海外メディア「BUSTLE」

『breathin』は単に不安だけを歌った歌ではない。
彼女の心の葛藤をファンと分かち合う事を目的として作られた曲だと、彼女は明言している。

YouTubeのコメント

  • 1%のコメントが彼女の才能を評価している。残りの99%は、彼女以上のアーティストはいるのか?って騒いでいるね。
  • こんなの聴いたら、呼吸ができなくなるよ。

light is coming feat. Nicki Minaj

ラッパー兼シンガーソングライターのニッキー・ミナージュをゲストに迎えた楽曲。
もちろん、ラップを効果的に曲に取り入れることで、アルバムはバラエティーに富んだものとなっています。

海外の反応

アメリカの経済誌「Forbes」

グウェン・ステファニーの『Love. Angel. Music. Baby』のような機械的でカーニバルのような曲に再び耳を傾けたくなる曲。

YouTubeのコメント

  • 彼女はいつかこの曲を聴き返して笑っちゃうだろうね。
  • 最も過小評価されてるMVだわ。

 

まとめ

深い悲しみを乗り越えてリリースに至った傑作『Sweetener』と下半期にリリースされた2つのシングル曲を通して見えてきたアリアナ・グランデの「現在」。

いかに、アーティストの心の状態が楽曲に影響を与えるか感じていただけたでしょうか。これからの彼女の活動にも目が離せませんね。

今回紹介した作品以外にも、デビュー当時の作品から彼女の歩いた軌跡を辿るのも面白いでしょう。

アリアナ・グランデ

 

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