洋楽に劣らず、邦楽にもカッコいいベースラインは沢山あります。
メロディーや曲を盛り上げる縁の下の力持ちであるベース。
曲があってこそカッコいいベースラインが生まれるというのが前提ですが、中には最初にベースがあってこの曲ができたのでは!?というものもあります。
それでは、演歌歌謡、Jポップ、ロックなど、ヒットソングに焦点をあてながら、マニアックな作品も散りばめてつつベースのカッコいい邦楽曲20曲を紹介します。
ベースラインがカッコいい曲 邦楽20選
京阪Girl ロマンチックベイベー
京阪GIRLは青春パンクというカテゴリーが人気だった頃に登場したユニットで京都出身の有カリンと大阪出身のマリリンがキーメンバー。「ロマンチックベイベー」では、シンプルながらもロックスピリッツ満載なベースを聴くことができます。
ラモーズのようなパンクテイストのガールズバンドで、ハーモニーとふたりの声質がポップで面白い。
既に解散しているのでライブを聴くことができないのが残念です。
椎名林檎 本能
ベーシストというよりプロデューサーとして有名な亀田誠治の弾くソロみたいな歪んだベースラインがカッコいい!荒々しさが仰山で、椎名林檎が歌う情念に対してベースを使って盛り上げるラインと音色が特長です。
亀田誠治は他にもビッグアーティストを何人も手掛けていて、ベースラインを聴いただけで亀田だとわかるくらい印象的でカッコいいラインを編み出しています。
ダウンタウンブギウギバンド 港のヨーコヨコハマヨコスカ
カッコいいベースというよりかは、カッコいいリフと言ったほうが正しいかもしれません。
しかし、曲に厚みを持たせているのは紛れもなくこのベースラインでしょう。
寺尾 聡 ルビーの指輪
派手なソロなどは全然ありませんが、全体のバランスをタイトにカッコよくまとめてくれる歌をサポートするベースラインのお手本みたいな演奏が聴けます。
ザ・ゴールデンカップス 銀色のグラス
※YouTube動画がなかったためSpotifyの画像を貼っています。
1960年代に「長い髪の少女」で人気のあったザ・ゴールデンカップス。ルイズルイス加部の弾くベースは忙しく動きまくるラインが特長で、歌よりも目立っているかもしれません。
それがよく表れているのが銀色のグラス(Spotify)
終始弾きまくっていてはいますが、これはこれでロックしていてカッコいいです…さすがにアルバム全曲だとうるさい気もしますが。
ちあきなおみ 喝采
毎年暮れになってくると昭和の名曲ということで登場回数の多いちあきなおみ歌唱による「喝采」。オリジナル音源を聴くときにヘッドフォンをして聴くと、歌の中間部に出てくるベースがリズム、フレーズともに抜群なカッコ良さを誇っていて最高です。
ベースに限らず、スタンダードといわれる曲はすべてのパートが盛り上げに貢献していますね。名曲を聴くときは、是非ともヘッドフォンをするか大音響で聴いてみてください。
キャロル ルイジアンナ
ドイツハンブルグで地道に活動していた頃のザ・ビートルズみたいなキャロルの「ルイジアンナ」。映像や演奏を通してエネルギーがあり余っている若者のカッコいいロックンロールが聴けます。3人揃って歌をハモっている時は特にしびれます。
永ちゃんの弾くベースが実にカッコよくて、サビになると出てくるフレーズは、単なる普通のロックンロールベースとは一味違う凝った感じのフレーズがきけて魅力的です。
ユニコーン 雪が降る町
※YouTube動画がなかったためSpotifyの画像を貼っています。
雪が降る町(Spotify)は、ビートルズ好きの奥田民夫らしい曲にポール・マッカートニー風のベースが被さってきて曲全体を仕切っています。
ベースとボーカルだけ抜き出して聴いたとしても十分成り立つくらい素晴らしいベースラインです。
石川さゆり 天城越え
演歌歌謡界のビッグネーム、石川さゆりの「天城越え」。ベースは、元々の役割であるリズムキープが約束事のひとつですが、曲中では歌を引き立たせながらもアクセントのあるベースラインを目立たせています。
ゴダイゴ モンキーマジック
昭和50年代、人気女優の夏目雅子が主演していたドラマ西遊記でオープニングテーマだったモンキーマジック♪(Spotify)
ファンク、ディスコ、歌謡曲それぞれの美味しいところをブレンドしたようなポップソングで、ベースラインとしては、当時流行っていたチョッパー(今はスラップとかプラッキングと言われる)奏法を小気味よく入れたところが新鮮でした。
荒井由美 ひこうき雲
宮崎駿監督作品の映画「風立ちぬ」で挿入歌にもなった「ひこうき雲」
フォーキーなポップソングの中で、時おり存在感をアピールしながら曲の雰囲気を静かに盛り上げてくれるベースラインがシンプルながらも目立っています。
Nokko 恋はあせらず
1960年代にヒットした洋楽ナンバー
恋はあせらず(Spotify)
をレベッカのNokkoがカヴァーしています。
この曲はスタジオミュージシャンが弾いていると思うのですが、ウルフルズの「明日があるさ」のラインとよく似ていて聴き比べると面白いかもしれません。
ウルフルズ 明日があるさ
昭和38年に発売され、後にスタンダードとなった坂本久の「明日があるさ」のカヴァー。
ウルフルズのバージョンはオリジナルの雰囲気を引き継ぎながらも現代的にアレンジしています。元々ジャズっぽいアレンジですが、ウォーキングベースといわれるジャズ特有のベースラインの動き方がとてもカッコいいです。
AKB48 恋するフォーチュンクッキー
AKB48で最も売れた曲の中でポッポコ、ポッポコ、ポッポコというディスコミュージック定番のベースラインがとても心地よく響いています。
カッコいいという表現からは少々離れているかもしれませんが、楽しさと切なさが同居するこの曲で切り離せない重要なパートです。
フィンガー5 学園天国
和製ジャクソン5を意識したグループ、フィンガー5はとても人気がありました。
学園天国(Spotify)
曲そのものが良いのは言うまでもありませんが、それを盛り上げているロックンロールなベースもご機嫌です。
さすがに年数が経っているので今きくと全体的にあか抜けてない感は否めませんが、ベースライン含めこれからも新たにカヴァーされていくことでしょう。
L'Arc~en~Ciel Honey
ずっしりした重たいトーンのベースがとても印象的です。
ベーシストのTetsuyaはシンガーソングライターでもあり、ベースラインもビートを刻むだけでなく歌とデュエットしているようなフィールを持っています。
JUDY AND MARY - Over Drive
ジュディマリのベーシスト恩田快人の弾くベースもラルクアンシェル同様、ヘビーなトーンを持っています。弾みのあるトーンでリズムよく歌をサポートしているのが心地よく、時おり飛び出す高音域でのフレーズも決まっています。
沢田研治 Tokio
ジュリーの歌うTokioがヒットしていた頃はディスコミュージック全盛でもあったので、ベースラインも流行りに則った感じのノリがあります。
メロディックなラインで曲をグイグイと引っ張っていく力強さが気持ちいいです。
星野源 恋
最近のポップロック界では一番忙しいのではと思われる星野源が2016年にリリースした「恋」。
各パートの音ですが、輪郭が凄くはっきりしていて大きな音で聴いたら目の前で演奏してくれているみたいな臨場感があります。見ても聴いても楽しくなるグッドソング。
ここで聴けるベースラインは音に厚みを持たせるばかりでなく、どっしりしたリズム感ある踊れるフレーズが堪能できます。
サディスティックミカバンド 何かが海をやってくる
曲的にはマニアックですが、タイトルのイメージにぴったりな曲展開が楽しめます。
サディスティックミカバンドの「黒船」というアルバムに入っている
何かが海をやってくる(Apple music)
という曲で、暗く沈んだベースラインがリズムを刻みながらドラム、キーボード、ギターが合わさってきます。
目をつむって聴いていると、本当に海の向こうから何かがやってくる感じが伝わってきます。
まとめ
昭和から平成までの間に登場した邦楽におけるカッコいいベースラインを選んでみましたが、いかがでしたでしょうか。
日本の演歌歌謡曲、ポップス、ロックは曲作りにおいて時代時代に存在した世界中の流行りが絶妙にブレンドされていて、ベースラインもその楽曲を惹き立てるためにベストなものがチョイスされています。
古き良き音楽を遡ってみると、いま人気になっている曲のルーツが見え隠れしていることに気づかされ、新しい発見があります。