ロックの新星 グレタ・ヴァン・フリートとは何者なのか?

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近頃その名をよく耳にするバンド『Greta Van Fleet / グレタ・ヴァン・フリート』

現在世界が彼らに注目しており、2月10日(日本時間では2月11日)に開催されるグラミー賞では、「最優秀新人賞」「最優秀ロック・アルバム賞」「最優秀ロック楽曲賞」「最優秀ロック・パフォーマンス賞」にノミネートされています。

2019年1月に来日し、大阪1月21日(月)Zepp Osaka Bayside、東京1月24日(木)Zepp Divercity Tokyo、1月25日(金)新木場STUDIO COASTの計3公演が行われます。

メンバーの負傷により昨年のサマーソニックへの出演をキャンセルしただけに期待しているロックファンも多いのではないでしょうか?

そんな、勢いに乗っている『グレタ・ヴァン・フリート』2019年も世界をロックさせ続けるであろう彼らを、今回は徹底分析します。



グレタ・ヴァン・フリートとは一体どんなバンド?

さて、現在最も注目すべきグレタ・ヴァン・フリートですが、一体どんなバンドなのでしょうか?

Josh Kiszka / ジョシュ・キスカ(vocals) 、Jake Kiszka / ジェイク・キスカ (guitars) 、Sam Kiszka /サム・キスカ  (bass) 、Danny Wagner / ダニー・ワグナー (drums)の4名から成るバンドです。

ポイント

名前から分かるように、メンバー3人は兄弟で、ヴォーカルのジョシュとギターのジェイクは双子です。

2019年1月時点でジョシュとジェイクが22歳、サムとダニーが19歳という若さ弾けるバンドです。

2012年にミシガン州で結成されたグレタ・ヴァン・フリートの音楽性はハードロック。伝説的ロックバンド『Led Zeppeliin / レッド・ツェッペリン』を彷彿とさせるサウンドで世界の注目を集めています。

2つのバンドを比較してみましょう。

Greta Van Fleet - When The Curtain Falls

どうですか?カッコイイですよね。MVからして異彩を放っています。

ヴォーカルだけでなく、すべてのパートが洗練されたテクニックを持っていることがよくわかります。ギターの音もエフェクターを掛け過ぎず、ソリッドで攻撃的なサウンドスケープを作り出しています。

これはテクニックがあるからこそ成せる技です。

 

この曲に対する海外の反応

  • この時代にロックバンドが見れて嬉しいよ。
  • やっぱりギターをプラグインしてこそロックだね。
  • 彼らの音を聴いた時、確かにレッド・ツェッペリンを感じたよ。ジャニス・ジョプリン、ディオ、ピンク・フロイド、イエスやラッシュの片鱗を感じさえしたんだ。でも、そんなことより、大事なのは彼らの音楽が本物だってことだよ。
  • こういった形でクラシック・ロックを今の世代に向けて放っていることが素晴らしい。僕に同じ声があれば、同じようにレッド・ツェッペリンを踏襲するよ。100万ドルの歌声だね。

つづいて、レッド・ツェッペリン。

この曲は、ロックに詳しくない人でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

Led Zeppelin - Immigrant Song (Live) (Official Audio)

世間がこの2つのバンドを結びつける理由がわかりますよね。

バンドサウンドはもちろんのこと、ヴォーカルの独特な声質まで共通する何かを感じます。この類の歌声はトレーニングだけで手に入れることのできるものではありません。

レッド・ツェッペリンのヴォーカルのロバート・プラントもインタビューを通して、グレタ・ヴァン・フリートのヴォーカルを絶賛し、彼らはレッド・ツェッペリンⅠだと、ジョークを交えながら褒め称えています。

なぜグレタ・ヴァン・フリートのメンバーに、こういった音楽性が身についたのでしょう?



グレタ・ヴァン・フリートのメンバーの育ちの違い

ギタージェイク

オフィシャルサイトのバイオグラフィーによると、ギターのジェイクは、父親の影響で幼い頃よりギターを練習していました。

ジミ・ヘンドリックスクリームといったテクニックを要する楽曲を課題として与えられ、クリアすることで新たなギターを買い与えられるという環境でギターの腕を磨いたそうです。

ベースのサム

サムは独学でベースを習得。加えてキーボードやギター、ドラム、マンドリンも独学で学ぶほどのマルチプレイヤーです。

ベーシストとしてのサムは、ソウルやR&Bの名門レーベル「モータウン」のスタジオミュージシャンであるジェームス・ジェマーソンに大きな影響を受けているとのこと。このジェームス・ジェマーソンはベーシストであれば知らない人はいないであろうレジェンドです。

ポイント

面白いことに、レッド・ツェッペリンのベーシストであるジョン・ポール・ジョーンズもブラックミュージックのテイストを持つベースラインを武器としており、2つのバンドサウンドの共通点となっています。

ドラムのダニー

ドラムのダニーも、サム同様、多彩に楽器を操ることのできるマルチプレイヤーです。
ギター、ピアノ、ウクレレ、マンドリンなどを演奏することができ、高校時代はジャズバンドで技術や音楽性を培った経験もあります。

ヴォーカルのジョシュ

そんな音楽に対して深い洞察を持つ3人とは少し違っているのが、ヴォーカルのジョシュです。

演劇を学び、芝居に勤しんでいたジョシュは、自身がロックバンドのフロントマンとして活躍するとは思ってもいなかったとのこと。

そんな彼ですが、アフリカ霊歌やネイティブ・アメリカンの部族の音楽などのワールド・ミュージックに強い志向を持つ彼現在のようなヴォーカルのスタイルになったのも納得がいきます。

 

そんな、各メンバーが高いポテンシャルと経験を秘めているグレタ・ヴァン・フリート。

若くしてレッド・ツェッペリンのようなクラシックなロックサウンドだけでなく、ソウルやブルースの香りを放つバンドとして完成されているのには、彼らの育ってきた環境が大きな要因としてあることがよくわかります。

EDMがトップチャートの大半を占める現代の音楽シーンにおいて、こういった歴代のミュージシャン達が築き上げてきた歴史を踏襲したような音楽を、20歳前後の若い世代が高いレベルでパフォーマンスし、スポットライトを浴びること自体がとても価値のあることです。

グレタ・ヴァン・フリートが、これからの音楽シーンに新たな流れを生むのではないかと私は勝手に期待しています。



グレタ・ヴァン・フリートの楽曲紹介

それでは、『When The Curtain Falls』以外の彼らの楽曲もご紹介しましょう。

Highway Tune

『When The Curtain Falls』よりも、良い意味でシンプルで粗削りなサウンドは、ロックンロールの誇り臭さを顕著にに引き出しているように思います。

ベースのドライブ感が曲に力強いグルーヴをもたらしています。

 

この曲に対する海外の反応

  • レッド・ツェッペリンを聴いていた人は驚くだろうね。レッド・ツェッペリンが戻ってきたんだから。
  • 見てみろ!ロックンロールが息を吹き返したぞ!
  • 彼らをチープなレッド・ツェッペリンと批判することに異論はないよ。でも、もしあなたがロバート・プラントのように歌えるようになったら、それを活かさない手はないよね。言う必要もないけれど、ロバート・プラント自身も彼らを認めているし、音楽に対してセンスのある人もまだまだいる。

Black Smoke Rising

この曲はグラミー賞の「最優秀ロック楽曲賞」にノミネートされている曲ですドッシリとしたビートと憂いのあるギターが印象的なミドルテンポの曲。

こういった楽曲の場合、普通ならもう少し低い音域をしっとりと歌いあげたくなるところですが、ジョシュは持ち前のハイトーンボイスで歌い上げ、楽曲をオリジナリティあふれるものにしています。

この曲に対する海外の反応

  • 本物のロックバンドを最後に見てからかなりの月日が経ったけど、彼らは本物だな。
  • 彼らはラッシュとレッド・ツェッペリンとザ・フーをミックスして新たな時代を作り上げている。すごいよ!
  • 聴いた瞬間、彼らのファンになったよ。

 

グレタ・ヴァン・フリートの国内外メディアの評価

ディアは彼らをどのように評価しているのでしょうか?

日本のロックマガジン「rockin'on」

どこからどう観ても、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、それだけ。しかも、サウンドもクラッシック・ロックを直球で継承している。どうやったら現代のシーンに自分のロックが届くのだろう、と考えすぎるロック・バンドたちを尻目に、たったそれだけで堂々の人気を獲得してしまっているのだ。ある意味、ロックを本来あるべき形に戻してくれたバンドとも言える。

アメリカの音楽レビューサイト「Pitchfork」

グレタ・ヴァン・フリートのサウンドはまるで、ハッパを決めて、通報し、警官が駆け付けて逮捕されるまでにレッド・ツェッペリンのアルバムを録音したようなものだ。
(中略)
彼らのデビューアルバム『Anthem of the Peaceful Army』のサウンドは一貫して、本作が本物のクラシック・ロックであるかのように鳴り響いている。ファジーなベース、エレクトリックシタールのソロに、マルチビタミンの飲みすぎによる超越感。実際のところクラシックロックではないのだ。

データ配信社会を利用して、本来のクラシック・ロックのおこぼれを吸い取る吸血鬼的な新手のアルバムだ。アルゴリズムの波の中に飲み込まれ、より多くの再生回数を獲得するために存在しているグレタ・ヴァン・フリート。

既に何百万回と再生されているが、彼らの楽曲はまさしくレッド・ツェッペリンのようであり、文句のつけようが無い。レッド・ツェッペリンが如何に偉大だったかを忘れることができればだが。

 

といったように、少し辛辣な評価も見受けられますが、それは彼らの楽曲がレッド・ツェッペリンを連想させるものだからでしょう。

ファーストアルバムから賛否両論を生むのは本物である証でもあるという考え方もできますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

まだ、ファーストアルバムをリリースしたばかりのグレタ・ヴァン・フリート。今後の彼らの活動が要注目なことはもちろんですが、世間がそれに対してどういった反応をするかにも注目してしまいます。

場合によっては、チャートのトップにロックミュージックが数多くランクインする時代が戻ってくるかもしれません。

アーティスト名 グレタ:ヴァン・フリート
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