岡崎体育の最新アルバム『SAITAMA』の収録曲解説!2019年をリードする傑作

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体調不良による大阪公演キャンセルがニュースとなり、その体調が心配されていた岡崎体育が1月22日退院を報告。
インフルエンザと胃腸炎の併発によって一時は、意識混濁状態にあったとのことです。

何はともあれ、回復に向かっているという情報に一安心ですね。

そのツアーというのは、2019年1月9日に発売されたNEWアルバム『SAITAMA』のレコ発ツアー【エキスパート】。「さいたまってあの埼玉?」と思われる方は多いでしょう。

そうです。あの埼玉県です。なぜそんなタイトルになったのかは最後の方に解説するとして・・・このアルバムがかなりの傑作に仕上がっているのです。

なので、今回はこのアルバムの魅力をお伝えしようと思います。



岡崎体育というアーティスト

 

『SAITAMA』の内容に触れる前に、岡崎体育の人物像に触れておきましょう。

日本音楽界の盛り上げ役、兼ヒール役『岡崎体育』

『MUSIC VIDEO』というタイトルの楽曲が話題となり、一躍有名アーティストとなった彼。

既存のミュージックビデオのあるあるを歌った曲ですが、揶揄と捉えられ、アーティストを馬鹿にしているとの反感の声も少なくはなかったはずです(実際、私も初めてこのMVを観た時、アーティストを馬鹿にした曲だと思いました(笑)。

注目

そんな逆風を乗り越えこの『MUSIC VIDEO』は『第20回文化庁メディア芸術祭』エンターテインメント部門新人賞を受賞しました

服もパーカー。髪型もセルフカットかと思うくらいの無造作ヘアー。全く着飾らない。

その後もリリースする曲も、悪ふざけやネタ曲アーティストと捉えられかねないものが多く、炎上覚悟の活動を続けてきた彼。

例えばコレ!

純度100%のロックと思いきや、サビでは着ぐるみの動物と子供番組でのお遊戯のような歌詞。
騙されました(笑)

そして、こんなもの。

ラジオで初めて聴いた時は完全に英語だと思いましたが、よく聴いてみると…日本語!
MVを観た人は一目瞭然だと思いますが、不意にラジオから流れてくると勘違いしてしまいます。

しかし、鋭いリスナーなら、これらの曲を聴いて気がつくはずです。
音楽のクオリティーが高い!ということに。

ポイント

よくよく考えてみれば、『感情のピクセル』正真正銘のロックサウンドを作ることができるので、サビ(オチ)でリスナーを裏切ることができるのです。『Natural lips』も同じことが言えます。

日本語をはめ込んでも英語のように聴こえるのは、彼が海外のR&Bやディスコミュージックをよく分析できているからこそできる技なのです。

そんな遊び心とクオリティーの高い作曲センスで、現在老若男女から支持を得ている彼は多くのタイアップを手掛け、その中には、NHK Eテレ「天才てれびくんYOU」の挿入歌や テレビ東京系アニメ「ポケットモンスター サン&ムーン」のオープニング&エンディングテーマまで手掛けた経歴を持ちます。

星野源、Fukase(SEKAI NO OWARI)、きゃりーぱみゅぱみゅ、ヒャダイン、川谷絵音などの著名アーティストたちも彼の才能を評価しています。



岡崎体育のアルバム『SAITAMA』収録曲

そんな彼のNEWアルバム『SAITAMA』の収録曲をいくつか解説しましょう。

<トラックリスト>

01. No Touch Service Ace
02. からだ
03. PTA
04. 弱者
05. なにをやってもあかんわ
06. 確実に2分で眠れる睡眠音楽(Interlude)
07. Calculated
08. Okazaki Unreal Hypothesis
09. Jack Frost
10. 私生活
11. 龍
12. The Abyss

12曲収録のこのアルバムはインストゥルメンタルナンバー『No Touch Service Ace』からスタートします。

からだ

これまた、卓越した音楽センスを見せつけてくれるナンバーに仕上がっています。
私には、うまくジャンル分けできない不思議なラインをついてきたクセになるナンバーです。

フザケ具合と風刺的なメッセージがバランスよく組み込まれた、彼の新しい一面が垣間見れる曲ではないでしょうか?

『No Touch Service Ace』からの綺麗は綺麗な繋げ方にも秀逸なので、注意して聴いてみてください。

この動画に寄せられたコメント

  • 岡崎体育のライブに行く!って言うと友達に鼻で笑われるのが悔しくてたまらない。ネタなんかじゃない。岡崎体育ってバンドはこんなにかっこいいんだってもっと広まってほしい。
  • 岡崎体育=ネタ曲って思ってる人に聞いてもらいたい。真面目曲もカッコイイって知ってもらいたい
  • 作詞作曲してMVも作るしダンスもできるって聞いたんですけどこの方が米津玄師さんですか?

続いての『PTA』は、洗練されながらもどこか、90年代のような懐かしさが散りばめられている1曲。
こんな、1軍級の楽曲のサビに「俺はPTAの会長」という歌詞をのせてしまうところはさすが岡崎体育!

『弱者』は歌詞に「Death cab for cutie」が出てきた時点でA評価をつけてしまいました。
サビでのサビの踏み具合も気持ちいい。
Death cab for cutieも素晴らしいアーティストなので聴いてみてください。

それに続くのは、いかにも岡崎体育らしいタイトル『なにをやってもあかんわ』。パンクロック+自暴自棄+関西弁+岡崎体育がこれまで一体感の1曲に変身するとは…
まるで、日頃からこのスタイル1本で活動しているかと思うくらい、様になっているナンバーです。

パワフルな曲の連続で肩に力が入ったリスナーの頭を一度リセットするかのように『確実に2分で眠れる睡眠音楽(Interlude)』

アルバムの第2部は、JUSTICEを連想させるイントロの『Calculated』からスタート。
攻撃的かつダークながら、やはり歌詞には岡崎体育らしさが盛り込まれています。

アンニュイなエレクトロ・ポップ『Okazaki Unreal Hypothesis』はケミカル・ブラザーズやベック、コーネリアスを連想させる海外でも通用するような1曲になっています。

『Jack Frost』はフジファブリックやSHE'Sのような清涼感を持つ1曲。岡崎体育的J-ROCKといったところでしょうか。

アコースティックなサウンドとエレクトロニカを融合させ、そこにいつもの岡崎体育の歌を真っ正面からぶつけることで、『私生活』は驚くほどストレートで骨太、かつ美しい1曲となっています。

まず一言。「ずるいよ!」

『感情のピクセル』しか知らないような人間が『Jack Frost』『私生活』『龍』の美しい曲を連続で聴かされては男女問わず、そのギャップに惚れてしまいます。

こんな誰しもが持つ心の優しくも繊細な部分に寄り添うかのような優しい1曲。

この動画に寄せられたコメント

  • 遊び曲じゃない、こういう曲大好き。
  • 一人で夜にぼーーーっとしてるときに聴きたい曲ですね。
    なんかむしろこっちの方が2分で眠れる説
  • 日本昔ばなしの龍みたい。なんか切なくて涙出てくるねこれは。
  • しっとりとして夜の帳に溶けていくような曲好き…この曲を聞くとその日1日の嫌なことを寝るのと同時に忘れられる。

この後のラストトラック『The Abyss』は一体どんな楽曲になっているのでしょうか?
皆さんの耳で確かめてみてください。
スポティファイでも全曲聴くことができるので、どなたでも気軽にこのアルバムの凄さに触れることができます。

因みにではありますが、なんと『SAITAMA』をリリースするまで、バイトを続けていたという驚きのエピソードがあります。



念願のさいたまスーパーアリーナワンマンライブ

以前より、30歳を迎えるまでにさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブを目標に掲げ、音楽活動に精を出してきた岡崎体育。

そして今回、『SAITAMA』のリリースを機に同会場でのワンマンライブが決定しました。なぜ武道館ではなくて、さいたまスーパーアリーナなのか?

本人いわく「名前がカッコイイから」と理由がまず一つ(笑)

そして、もう一つの理由は音楽活動を始めた頃、友人と訪れたニコニコ動画のイベントの会場がさいたまスーパーアリーナであり、そこでの観客の盛り上がりが印象的だったからだそうです。

このアルバムのタイトルもさいたまスーパーアリーナでのワンマンへの決意表明なのでしょう。
上で紹介した『からだ』の中でも「埼玉」という言葉が出てきます。

ライブの見どころ!

岡崎体育のライブでは音源化されていない楽曲が楽しめることがあります。
壊れたパソコンに保存されていた楽曲や、フェスのためだけに作成された『B'zの裏はキツい』や『物販行ってるやん 』など、その会場ならではの曲を披露するという楽しいファンサービスには注目!

彼にとって特別なものとなる、さいたまスーパーアリーナでのライブでもスペシャルな演出が期待されます。

岡崎体育の俳優デビュー

多彩な音楽活動だけには留まらず、俳優としてNHKの連続テレビ小説「まんぷく」にも出演を果たした岡崎体育。

彼が演じたのは日系アメリカ人チャーリー・タナカ。米軍の進駐軍の雑居房の看守という独特の配役でした。

そのキャラクターたるや、憎たらしいの憎めない彼のキャラクターが爆発しており、僅かな出演時間ながら強烈なインパクトを残しています。

役者としての、これからの彼の活躍にも注目していきたいですね。

まとめ

日本の音楽シーンにおいて、異質ながら、そのスタイルを確立したアーティスト『岡崎体育』。

この先、一体どんな仰天パフォーマンスで私たちを爆笑の渦に包み込んでくれるのでしょうか?精力的に活動して欲しいですが体には気をつけて欲しいですね。

そして、最新アルバム「SAITAMA」は捨て曲なしの傑作です。2019年は始まったばかりですが、私のアルバム・オブ・ザ・イヤーの最有力候補になってしまいました!絶対オススメです!!




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