天才Julien Bakerが来日!その音楽をおさらい

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一部の音楽ファンの間で話題の人物が2019年2月に来日を果たします。

その注目のアーティストとは『Julien Baker』(ジュリアン・ベイカー)

昨年のちょうど今頃に初来日。当時アルバムを1枚しかリリースしていない状況にも拘らず、チケットはソールドアウトしています。

 

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【ビルボードライブ東京】
2019年2月9日(土)
1stステージ 開場15:30 開演16:30
2ndステージ 開場18:30 開演19:30

【ビルボードライブ大阪】
2019年2月12日(火)
1stステージ 開場17:30 開演18:30
2ndステージ 開場20:30 開演21:3

アメリカ、テネシー州のメンフィス生まれ、まだ23歳の華奢な見た目の彼女。
一体どんなアーティストなのでしょうか?



ジュリアン・ベイカーの音楽人生

 

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ソロアーティストとしてだけでなくバンドにも所属する彼女。
バンド名は『Forrister』

以前は『The Star Killers』の名で活動していたバンドです。

パンクやオルタナティブ・ロックを強く感じるサウンドを展開していたバンドですが、ソロアーティストとしての彼女の音楽はどういったものでしょう。

今回はこれまでにリリースされた楽曲を通して彼女の才能に注目してみましょう。

ギター、ピアノ、マンドリンなど、幅広い楽器を操れる彼女。そんな楽器のキャリアは父親のギターを触るところから始まったそうです。

大学ではオーディオ・エンジニアリングを学び、後に文学を専攻。副専攻ではスペイン語と中等教育を学んでいますが、ツアーに専念するため中退しています。

音楽に熱意を持ちながらも様々な事柄に興味を持つあたりは、アーティストのあるべき姿勢とも言えます。



デビューアルバム『Sprained Ankle』

ソロアーティストとしての彼女のキャリアはこのアルバムから始まります。
収録曲は、彼女が大学時代に書き上げたものだそうです。

『Forrister』のフィーリングには合わないないと思いながら制作していた楽曲ですが、彼女自身、アルバムとしてリリースするとも思っていなかったと語っています。

そんな彼女の本音通り、本作の収録曲はバンドの中で彼女が放っていた音楽とは全く異なるものとなっており、アコースティックギターのプレーンなサウンドが主軸となったアルバムとなっています。

このアルバムは各所で高い評価を得て、彼女の名を一躍有名にしました。

『Sprained Ankle』
<トラックリスト>

1.Blacktop
2.Sprained Ankle
3.Brittle Boned
4.Everybody Does
5.Good News
6.Something
7.Rejoice
8.Vessels
9.Go Home

Sprained Ankle

アルバムと同タイトルのこの楽曲『Sprained Ankle』
捻挫した足首を意味する言葉です。

3拍子がこの曲の優しくも、憂いのある雰囲気を作り上げます。

この動画に寄せられた海外のコメント

  • このMVはワンテイクだけで撮影されているね。よく見てみるとレイルなどは使われずに、ドローンを飛ばして撮影していることに気づいたよ。彼女の髪がプロペラでなびいてたからね。MVの曲も美しいよ。
  • ジュリアンのことをとても誇りに思うよ。彼女のことは高校時代から知っていて、当時でも彼女がミュージシャンとして活躍することは目に見えていたよ。そんな大きな成功を収めれば、嫉妬する人や、軽蔑する人、不釣り合いな成功だと思う人がいるかもしれないけど、頑張れ!ジュリアン。どれだけ君が人気者になったって、僕は大きな喜びに満ち溢れ続けるよ。
  • この曲を聴いていると、いつも1分45秒あたりで圧倒されてしまうんだ。頭から離れない美しさがそこにあるだろ。涙まで出てしまう時もあるよ。

 

Everybody Does

アコースティックギターのサウンドを基盤にした『Everybody Does』

このアルバムでは、一番明るくポジティブなパワーを放つ一曲ではないでしょうか?

しかし、「私から離れた方が良い みんなそうするよ」というリスナーにとっては悲しみを覚えてしまう歌詞を含んだ曲でもあります。

「私から離れることで、あなたは順風満帆な人生を送ることができる」という、相手の幸せを願う思いから放たれるポジティブさなのでしょうか。

この動画に寄せられた海外のコメント

  • 彼女のことが大好きだ。本当に偉大だと思うよ。現代のシンガーソングライター界では、見ることのできないパッションと誠実さを彼女は持っている。
  • 彼女は音楽は素敵だね。音楽に情熱を感じるよ。ところで、彼女はとても大きなギターを弾いているのか、彼女自身が小さいのかどっちなんだい?
  • 彼女の最も愛すべき点は、そのエモーショナルで本物のライブパフォーマンスにあると思う。パフォーマンスはどれも独自性があるわ。
  • 彼女は歌う時、感情にチャンネリングできるの。そしてそれが彼女を素晴らしいアーティストへと変貌させるのよ。

 

Something

耳に残るギターのリフレインが魅力的な『Something』しかし、注目すべきは彼女の歌声ではないでしょうか?

この曲での彼女の歌声は、「情熱」と「冷淡」のちょうど間を縫い進むような独特なものとなっています。
一瞬、ビョークにも近い声質が窺えることも。

彼女のヴォーカリストとして成長がとても楽しみですね。

この動画に寄せられた海外のコメント

  • サウンド・エンジニアリングには全くの無知だけど、こういった空間でパフォーマンスを行うなんて簡単じゃないと思うし、ましてや、その音楽をこんなにもすぐそこで演奏されているかのように響かせることは至難の業だと思う。
  • 彼女は類まれな才能を持っているけれど、楽曲はスタジアム・ロックのようなものではない。つまり、隣で演奏しているかのようなセッティングが必要なんだ。それをあの広いフットボール場?でやってのけるなんて。
  • パワーとエモーショナルが才能溢れる若い女の子から世界へと放たれる。何て曲だ。メロディーがすごい。彼女の涙に私ももらい泣きしてしまう。

 

Rejoice

この『Rejoice』では。彼女の歌声のエモーショナルな部分が最大に発揮されています。

楽曲自体は、このアルバムの持つ空気感を保ちながらも、彼女が『Forrister』で培ったヴォ―カリゼーションを全力で解放しているように感じます。

この動画に寄せられた海外のコメント

  • 彼女ほど情熱的に歌えるシンガーは滅多にいないだろう。YouTube上で彼女の多くの動画を観てきたけれど、すべての動画に個性と違いが見受けられたよ。彼女は決して音楽やパフォーマンスに中途半端に取り組んだりはしない。
  • 街の音をパフォーマンスの一部として利用しているところが好きだな。それがすべてをつなぎ合わせて、誠実でまっすぐ突き進む存在を生み出しているよ。 ラストにかけての駆け上がりには、みんな面食らうんじゃないいかな。素晴らしいよ。

 



2ndアルバム『Turn Out the Lights』

前作『Sprained Ankle』から約2年の月日を経てリリースされた2ndアルバム『Turn Out the Lights』
今回の来日のセットリストには、このアルバムに収録されている曲が多く含まれることが予想されます。

『Turn Out the Lights』
<トラックリスト>
1.Over
2.Appointments
3.Turn Out the Lights
4.Shadowboxing
5.Sour Breath
6.Televangelist
7.Everything to Help You Sleep
8.Happy to Be Here
9.Hurt Less
10.Even
11.Claws in Your Back

Appointments

『Appointments』のボン・イヴェールを彷彿とさせるサウンドは、聴いている人間に北欧に森の中に立っているような錯覚を起こさせます。

3分を過ぎたあたりから、曲は僅かながら熱量を増していき、3分30秒あたりになると、それまでとは一味違った曲調を迎えるポイントも面白いですね。

美しいコーラスワークにも注目してみてください。

この動画に寄せられた海外のコメント

  • "maybe the emptiness is just a lesson in canvases" という歌詞が頭の中で響き続けるの。何度でもやり直しがきくということを示唆しているのではないかと思うの。キャンバスに描かれた絵を上塗りして、すべてを新しいものへと塗り替える。それを様々な角度から見てみたりしてね。もしくは、どん底からどうやって這い上がるかを考えてみたり・・・
  • 真っ白なキャンバスがあれば、また以前と同じものだって描けるし、全く別の物も描ける。そんな物事のありのままと変化を受け入れながら自由を歌った歌詞だと思うの。とにかく、ジュリアン、あなたは素晴らしいわ。そのまま良い作品を作り続けてね。
  • いつ、どのようにジュリアン・ベイカーを知ったか思い出せないけど、憶えていることがあるんだ。僕は彼女の音楽を求めていた。彼女の音楽に出会ってない人生を想像できないよ。僕を見つけてくれてありがとう。

 

Turn Out The Lights

『Turn Out The Lights』(灯りを消して」)という意味のタイトルながら、前半は西日やロウソクに温められているかのような温度を感じることができます。

2分20秒を超えると、彼女の歌声はエモーショナルに鳴り響き、聴く者は息を呑むようなセンセーションを体験します。

シューゲイザーのようなエフェクトの掛かったエレキギターのサウンドが高ぶる感情をうまく描写していますね。

この動画に寄せられた海外のコメント

  • 関連動画のリストにこの動画を見つけたのは、学校から自宅への帰り道だった。こんなに自分が生きているんだ、そして死んでなんかいないと強く感じたよ。
    彼女は期待を裏切らない。彼女の音楽には本当に感謝してる。素晴らしいよ。
  • 今回の新曲たちはどれも前作に収録されていたものより素晴らしいよ。ジュリアンのようなアーティストの音楽の唯一のネガティブな側面は、どうしても、その曲を初めて聴いた時に生まれる、精神の旅のような現象は2回目以降には体験できないということだ。何が飛び出すのか予測不可能なあの旅を。もう一度、彼女の音楽に対して無知な状態に戻れたらなぁって思ったりするよ。
  • 嘘じゃなく、11月に彼女を見る為だけに、モスクワからパリへ向かうんだ。

 

これからのジュリアン・ベイカー

はじめて買ったCDはフォール・アウト・ボーイの『Take This To Your Grave』(2003年)だという、その根幹にパンクやエモといった音楽性を持つジュリアン・ベイカー。そんな彼女が『Forrister』に所属したのは当然の流れのように思えます。

そして、ソロ名義でバンド時代とは全く異なるサウンドスケープで世界をも虜にした彼女は一体どんなアーティストへと成長していくのでしょうか?

新たな可能性『boygenius』

 

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そんな彼女が昨年、新たにユニットを結成しました。
『Phoebe Bridgers』(フィービー・ブリジャーズ)、『Lucy Dacus』(ルーシー・ダカス)をメンバーに迎えた、そのユニット名は

『boygenius』(ボーイジーニアス)。

デビューEPはユニット名と同じく『boygenius』というタイトルで。2018年11月23日にリリースされました。ジュリアン以外の2人も、超実力派ミュージシャン。

フィービー・ブリジャーズは、2017年にデビューアルバム『Stranger in the Alps』で世界中の注目を集め、高い評価を獲得しました。

彼女も今月20日・21日に東京・代官山ユニットでライブを行います。

そして、もう一人のメンバーは、21歳という若さでリリースしたデビューアルバム『No Burden』はアメリカの辛口音楽メディア『Pitchfork』でも高い評価を得たルーシー・ダカス。

2020年代を牽引するであろう3人の才能溢れる女性アーティストが結束して生み出すサウンドは必聴です。

『boygenius』
<トラックリスト>
01. Bite The Hand
02. Me & My Dog
03. Souvenir
04. Stay Down
05. Salt In The Wound
06. Ketchum, ID

音楽というものを超越した芸術。
フルアルバムのリリースが待ち遠しいですね。

まとめ

様々なジャンルをクロスオーバーさせ、オリジナリティに溢れる音楽を想像するジュリアン・ベイカー。

多くの人が残したコメントからわかるように、彼女の神秘的な音楽とは対照的なパッションに満ち溢れた歌声が化学変化を起こし、彼女の音楽は特別なものになっていくのです。

唯一無二の彼女の音楽をビルボードという特別な空間で味わえるなんて贅沢の極みですね。




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