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2019年3月31日、あるラッパーの悲報が飛び込んできました。そのラッパーとは『NIPSEY HUSSLE』(ニプシー・ハッスル)
アメリカはロサンゼルスを拠点に活動する彼は、3月31日、ロサンゼルス郊外のハイド・パークで自身が経営するアパレルショップの前で銃撃されました。
4月2日に犯人のエリック・ホルダーが逮捕されました。
当初はギャングが絡んだ事件だという憶測が報道されていましたが、個人的な動機での犯行であることが判明。事件は収束に向かっています。
とは言え、音楽業界やファンは、そう簡単に悲しみから立ち直れるものではありません。
今回は追悼の意を込めて、ニプシー・ハッスルのこれまでの経歴や代表曲を振り返っていきましょう。
ニプシー・ハッスル プロフィール
1985年8月15日生まれ。本名は『Ermias Joseph Asghedom』(エミリアス・アスゲダム)
2000年代半ばに、ウエストコーストのヒップホップシーンで頭角を現し始め、メジャーシーンに躍り出るまでになります。
キャリアがまだ浅い頃から、スヌープ・ドッグやドレイクなどの、現在のヒップホップシーンの頂点に立つアーティストとも協力して作品を手掛けるなど、プロが認めるラッパーとなります。
しかし、そんなメジャーシーンから離れ、アンダーグラウンドの世界で自身のスタイルを貫き続けましす。
音楽以外では、『The Marathon Clothing』(マラソン・クロージング)というアパレルショップを経営するなどの手腕を発揮します。
そして、先日、3月31日に凶弾に倒れます。33歳没。
亡くなる数時間前にも、ギャングの暴力廃止を訴えるサミットに参加するための打ち合わせを、ロサンゼルス警察の人間と行う予定があったなど、社会的に貢献する活動にも力を注いでいました。
ニプシー・ハッスル 代表曲
ここからは、彼が生きた証である、彼の代表曲を振り返っていきましょう。
Racks In The Middle (feat. Roddy Ricch & Hit-Boy)
亡くなる約1ヶ月前にミュージックビデオが公開された『Racks In The Middle』
ゲストには『Roddy Ricch』(ロビー・リッチ)と『Hit-Boy』(ヒット・ボーイ)
まるで、自分の死期を悟ったかのよう、肩の力は抜けていながら、彼の持つ様々な側面が詰まったような楽曲になっています。
ミュージックビデオが墓地から始まるのも偶然のように思えません。
この動画に寄せられた海外の反応
ニプシーは愛され、リスペクトされた男だった。オールドスクールのラップを現代に蘇らせた人物だよ。
彼にはこのアルバムで今年何かしらのアワードを受賞して欲しかったな。みんな分かっているとは思うけれど、1つや2つ賞を受賞してもおかしくなかったんだよ。
なんてことだ、墓場を歩くニプシーでミュージックビデオが始まっているよ。
Nipsey Hussle & Snoop Dogg - The Real Life ft. Ice Cube
どこか共通した音楽性を持つニプシーとスヌープ・ドッグの共作に、ヒップホップのパイオニアである『Ice Cube』(アイス・キューブ)を招いた贅沢なトラック『The Real Life ft. Ice Cube』
ヒップホップシーンを開拓したスヌープ・ドッグとアイス・キューブが、ニプシーを認めた証ともいえる作品でしょう。
この動画に寄せられた海外の反応
ニプシーのスタイルはスヌープ・ドッグにかなり似ているね。スヌープ・ドッグは僕の人生のナンバー1アーティストで、ニプシーは僕にとってニュースクール世代のスヌープ・ドッグなんだ。
どこの誰が何と言おうと僕は気にしないから、これだけ言わせてもらうね。この青年は素晴らしい才能の持ち主であり、もっとたくさんのやるべきことがあったんだ。
Rap Niggas
何ともストレートで大胆なタイトルの『Rap Niggas』
重く、ダークなベース音がバウンスすることでニプシーのラップの攻撃性を際立たせます。
この動画に寄せられた反応
「ラップの中ではすべての権限は俺にある」これ以上の言葉は必要ないな。
2パックやスヌープ、ドクター・ドレ、アイス・キューブ、ネイト・ドッグやイグジビットの時代、ウエストコーストヒップホップはポップだった。そこへ君が現れてウエストコーストスタイルをトップへと押し戻したんだ。
ビートが強烈だ!
Been Down feat. Swizz Beatz
『Swizz Beatz』(スイス・ビーツ)が参加した『Been Down』
ダークなサウンド流れアッパーなバイブスを持つオススメのトラックです。
この動画に寄せられた反応
彼のようなアーティストがアイデンティティーを失わずに多くの称賛の声を得ている瞬間を見れるのは気持ちが良いな。
現代のヒップホップはあまり聴かないんだけど、彼とその仲間のスタイルはオールドスタイルのヒップホップを現代にも持ち込んでいるね。
私のフェイバリットだよ。
Double Up Ft. Belly & Dom Kennedy
『Belly』(ベリー)と『Dom Kennedy』(ドム・ケネディ)というラッパーの同志と手を組んだ『Double Up』
R&Bテイストのメロウなアプローチがいつもと違うニプシーの一面を引き出します。
この動画に寄せられた海外の反応
聴くだけで誰かを愛したくなる曲だね。
彼のような偉大な人物を亡くなってから知ったなんて、恥ずかしいよ。
今年YouTubeで体験した11分の中でベストなものだ。
Hussle In The House
クラシックやヒップホップを見せつけるニプシーのデビューシングル『Hussle In The House』
小細工抜きで正面突破するような潔さが気持ちいいナンバーです。
この動画に寄せられた反応
学生時代に戻った気分だ。ゆっくり休んでくれ、ニプシー。こんな死に方に君には相応しくないけどね。
スヌープ・ドッグを彷彿とさせるね。髪型や体形といった見た目の要素もそうだけれど、サウンドやセンスにもスヌープ・ドッグを感じる。とても才能に恵まれていて、頭の良いアーティストだ。
昔、ホテルで一夜を過ごし、目が覚めた時、この曲がテレビで流れてて、良い1日の始まりだったことを憶えているよ。
Victory Lap feat. Stacy Barthe
アメリカのシンガーソングライター『Stacy Barthe』(ステイシー・バス)をゲストに迎えたナンバー『Victory Lap feat. Stacy Barthe』
オートチューンの効いたステイシーの歌声が作り出すモダンなテイストのイントロの後は、骨太なニプシーのラップが曲をコントロールしていきます。
ポイント
同タイトルのアルバム『Victory Lap』は第61回グラミー賞にノミネートされています。
この動画に寄せられた海外の反応
本当のリリカルなヒップホップだね。ブツブツ何を言ってるか分からないゴミとは違うよ。
彼の死は特別心に響くよ。彼は僕のフェイバリットラッパーだったからね。奥さんへの思いやりや漢気の貫き方は尊敬するよ。元気でね。君が思っているよりみんな君の死を悲しんでいるよ。
何かに導かれることも無く大人になったけれど、心のどこかで誰かの役に立ちたいと願っていたんだ。そして君はそれが可能な事だと、音楽で僕に教えてくれたね。
All Get Right" ft J. Stone
2018年ラッパーの『J. Stone』(ジェイ・ストーン)をゲストに迎えた『All Get Right』
トラップ的なアプローチを見せながらメインストリームのソレとは一線を画す仕上がりとなっています。
この動画に寄せられた海外の反応
ニプシー・ハッスルはいつもヒップホップ業界の変化を乗せて運ぶ箱舟のような役割をになってきた。なりたい自分になるために妥協する必要なんてないとファンに伝えてきたんだ。
安らかに眠ってくれ、ニプシー。君の音楽はいつも私に諦めないことの大切さを教えてくれたね。
生粋のヒップホップファンだけれども、このアーティストは称賛せざるを得ないな。名前は知っていたんだけれど、聴いて事無かったんだ。彼は本物だよ。存在そのものがインスピレーションなんだ。
Grinding All My Life / Stucc In The Grind
2部構成になっている大作『Grinding All My Life / Stucc In The Grind』
3分40秒辺りからマリンバや性急なライトで性急なビートが目立ち、全く別の曲が展開していきます。
この動画に寄せられた海外の反応
このトラックはその炎を絶やすことは無いな。
私たちの世代の2パックだ!
これは本物のタフなリリックだ。
まとめ
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33歳の若さでこの世を去ってしまったラッパー『NIPSEY HUSSLE』
こうやって振り返ってみると我々がいかに才能溢れるアーティストを失ったのかを痛感することができます。
しかし、彼が無くなっても、これまでに彼が生み出してきた音楽はファンの中に残り続けます。
『こんなカッコイイラッパーがいたんだよ』と彼の偉大さを下の世代に伝えていきたいですね。