ヒトリエ wowaka 死去 今後の活動はどうなるのか?米津玄師からの追悼コメント紹介

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4月8日、4ピースロックバンド『ヒトリエ』のフロントマンであるwowakaさんが急性心不全のため死去したというニュースが発表されました。
31歳という若さでした。

4月6日には、オフィシャルサイトに「メンバーの諸事情により4月6日(土)京都、4月7日(日)岡山のツアー公演を中止する」という急なアナウンスがあり、ファンが不安な心境でいた所に飛び込んできた訃報となりました。wowakaさんが亡くなったのは4月5日。あまりに突然のことに、現実を受け止めることのできない人が多くいることでしょう。

今回は、wowakaさんが『ヒトリエ』と歩んだ道のりを振り返りながら、今後のメンバーの活動について考えていきましょう。



関係者からのコメント

今回の訃報について、オフィシャルサイトに公表されたコメントは以下の通りです。

事務所からのコメント

突然の悲報に接し、メンバー・スタッフ一同、現実を受け止められない状況です。
バンドの今後の活動については現在未定ですが、
イガラシ、シノダ、ゆーまおの各メンバーは、これからも音楽活動を続けてまいります。
今後とも応援のほど、よろしくお願い致します。

べースのイガラシさんのコメント

今だってまだ、ステージでwowakaがギターを弾き始めるあの瞬間を待ってる。
客席にはみんなが居て、右手を振りかぶったリーダーがでかい音を出したら、人生で1番幸せな時間が始まる。

どれだけ虚勢を張ったって、正直まだ、何も手につきません。
腹は減らないし、うまく眠れもしません。
wowakaと出会ってからのことをしっかり思い返すことも出来ません。
涙は止まりません。
もう4人での演奏を見せられないこと、本当にごめんなさい。

それでもおれはこの世で唯一のwowakaが選んだベーシストだから、wowakaが好きだと言ってくれたベースを鳴らすことを絶対に止めません。

リーダーいつでも聞きにきてよ。
おれ明日もうまくなるよ。

イガラシ

ギターを担当するシノダさんのコメント

リーダーごめん、ジャズマスもうちょい借りるね。
いつんなるかわかんないけどちゃんと返すから、あっちで待っててくんねえかな。

シノダ

ドラムのゆーまおさんからのコメント

wowaka、あまり俺たちの事を長く深く話すようなことなんて特にないんだけどさ、wowakaが曲を作って、俺たちが楽器を持って、曲が出来上がって、ライブで演奏して、音を鳴らしているあの時間は、本物だったな。あと、良い音が出るって最高だよな。
俺の伝わらない文章で不器用なことばかり言って困らせてごめん。
ありがとうね。俺これからも頑張るわ。

ゆーまお

当然のことではありますが、バンドメンバーやスタッフも、woakaのあまりに突然の死を受け止め切れていないことが分かります。
なお、予定されていた全国ツアーは中止、夏フェスなどのイベントへの出演もキャンセルとなりました。



wowakaが築き上げた『ヒトリエ』という名の財産

メンバー

wowaka(ボーカル・ギター)
シノダ(ギター・コーラス)
イガラシ(ベース)
ゆーまお(ドラムス)

wowakaが発起人となり、2011年に前身バンドとなる『ひとりアトリエ』を始動。

翌年には、ギターのシノダが加入し、『ヒトリエ』に改名。2013年に、ソニーミュージックの参加に自主レーベル「非日常レコーズ」を立ち上げ、メジャーデビューに成功します。

これまでフルアルバムを5枚(インディーズ時代を含む)、ミニアルバムを3枚をリリースしています。各メンバーが優れた演奏技術を持ち、テクニカルなフレーズが盛り込まれながら、独自の世界観を確立した楽曲を武器に多くのロックファンの心を掴みました。

wowaka、ボーカロイドプロデューサーとしての顔

wowakaは、『ヒトリエ』を発足する以前から『初音ミク』などのボーカロイドを用いた楽曲を制作し、ニコニコ動画で配信していた経歴があります。
そのクオリティーは趣味の域に留まらず、その界隈では有名なボーカロイドPとして認知されていました。
同じく、「ハチ」名義でボーカロイドを使用し楽曲を配信していた米津玄師も、wowakaの音楽性を高く評価しています。
ボーカロイドに興味を持ったキッカケは、パソコンさえあれば、1人であらゆる楽曲をハイクオリティーで制作できるという点に衝撃を受けたからとのこと。
ヒトリエの楽曲にも初音ミクをボーカルに迎えた楽曲がいくつか存在します。



米津玄師、追悼コメントを公開

そんな米津玄師さんも、ブログを更新。
wowakaさんの死について、以下のように語っています

wowakaさんと出会ったのは10年くらい前のニコニコ動画だった。当時の自分からすると今まで聴いたことのない音楽を作る人だった。恐らく誰しもそう感じてたと思う。

ほとんど同じ時期に投稿し始めたこともあって、彼にだけは負けたくないと勝手にライバル視していた。それ以上に尊敬していたし、多大な影響を受けた。ワールズエンド・ダンスホールを聴いた時は衝撃で飯が食えなくなった。

即売会のイベントで実際に顔を合わせてからは、お互いシャイだからそう言葉数は多くなかったけれど、ああでもないこうでもないと音楽の話をしていたのを憶えている。

と、2人の出会いを振り返るように始まるブログ。
最後には、

なんとかできなかったのかな、と今も考える。恐らくこれからずっと考え続ける気がする。ハチくーんっつってそこの扉から入ってきてほしいと今でも思ってる。彼はその音楽性と同じように、他の人間より何倍も速いスピードで生きている人だった。基本的な人生のBPMが違う感じがした。音楽をそっくりそのまま体現してる人だったんだろうな。

僕にとって彼はライバルであり、親友であり、どこか兄のようでもあった。でも亡くした。今は虚しいけど、それも時間が攫って行くんだろうなと思う。

残されたヒトリエのメンバー、スタッフ、親族の方々、wowakaさんを愛してた人たちの心痛は計り知れません。各々が各々の立場で、つかない折り合いを抱えながら生活して行かなきゃいけないですね。とりあえず僕は、なるたけ今までとおんなじように生きていこうと思います。結局免許取りに行けなかったし海にも行けなかったですね。一緒にいて楽しかったですよ。ばいばいまたのんましょーね。

2人がいかに、親密であり、お互いにリスペクトしていたのかが伝わってくる文章です。

最新アルバム『HOWLS』

2019年2月27日にフルアルバム『HOWLS』
結果的にwowakaさんの遺作となってしまったこのアルバム。

各メンバーが卓越した演奏技術を持ちながらも、テクニックに頼らず、ヒトリエにしか描けない世界観を作り上げるという、このバンドの真骨頂が存分に楽しめるアルバムとなっています。

『HOWLS』
<トラックリスト>
01. ポラリス
02. 伽藍如何前零番地
03. コヨーテエンゴースト
04. SLEEPWALK
05. 殺風景
06. November
07. LACK
08. Idol Junkfeed
09. 青
10. ウィンドミル

ポラリス

オープニングトラックはボーカルを含めるすべてが一斉に音を発しスタートする楽曲『ポラリス』

早口でも、クリアかつハッキリとした輪郭で放たれる言葉はwowakaにしか成し得ないボーカリゼーションです。

この動画に寄せられた反応

ヒトリエは明るい曲でも大衆に向けた無責任な感じがなくて、あくまであなたっていう個人に向けてみたいな感じがしてとても好き。最高。そこが他のアーティストとの違いかなって勝手に思ってます


素敵な貴方達をこのポラリスで知りました。はじまりがあれば終わりがありますが、にしても早すぎるでしょう。もっと貴方の世界に触れてみたたかった。青春を、たくさんの感情を、感動をありがとうございました

伽藍如何前零番地

幽玄な響きを見せる『伽藍如何前零番地』(がらんどうまえぜろばんち)
レゲエのようなギターアプローチで、暗くなり過ぎないような工夫が施されているあたりがミソと言えるでしょう。

後半ではギターとドラムのサウンドを高濃度で詰め込むような展開も見せ、スケールの大きな1曲になっています。

コヨーテエンゴースト

『コヨーテエンゴースト』はプログレッシブロックのようなギターアプローチが曲のイメージを決定づけます。

2曲目の『伽藍如何前零番地』と違い、一貫性のあるアプローチを押し通すかっこよさがあります。

この動画に寄せられた反応

ギターどうなっとんねん
いや全パートどうなっとんねん


イントロ作んのがやっぱり上手なバンド
イントロがかっこいいとその曲に引き込まれる


この曲ラジオで聴いてヒトリエにハマり、ヒトリエのライブチケットを買いました
本当に、本当に悔しいです。もっと早くヒトリエを知っていれば。あまりの突然の出来事すぎて。

SLEEPWALK

性急なギターサウンドを一度しまい込んで、浮遊感とポップネスを生み出す『SLEEPWALK』

シンセサイザーが曲の印象的で、ヒトリエの新境地を切り開くナンバーと言えます。

この動画に寄せられた反応

Rest in peace, wowaka. Your legacy shall never be forgotten and I hope you are at peace wherever you are now.
(安らかに眠ってね、wawoka。君が残したものが忘れ去られることは決してないよ。君がどこにいようと平穏な日々を送れることを祈っているよ。)


亡くなってから知ったという人も立派なヒトリエのファンだと思います。ヒトリエには良い曲がたくさんあります。今からでもその曲が一人でも多くの人に知れ渡ればいいな。


wowakaさん、、今逝ってしまうのはあまりにはやかったよ、、あちらでもお元気で

殺風景

考察する隙も無く、あっという間に駆け抜けていく『殺風景』

「スピーディー」という言葉では片づけられないこの感覚は「ヒトリエ」と形容していいのではないでしょうか?

November

ダークネスとノスタルジーをうまく調合した『November』
まさに季節が移りゆく「11月」というタイトルがマッチするナンバーです。

このアルバムに収録されている他のどの楽曲よりも言葉を大事にした、サウンドメイクが施されているように感じます。

LACK

終わりに向かうアルバムをさらに加速させるようなナンバー『LACK』

ある意味、ヒトリエらしさを抑えたストレートなロックナンバーです。

Idol Junkfeed

『LACK』からさらに加速に、捻じ曲がっていくロックナンバー『Idol Junkfeed』

偶像を追い求めるあまり、正常な判断力を失っていく人間や社会への皮肉が詰まった歌詞が印象的です。

有形の妄想ばかりを追い求めては嘘だらけ
喧噪に溢れた街がその容れ物を笑うだけ
絶好のコンセンサスに雁首垂れるは強き者
優劣に踊らされそれも認め得ぬ人形だ

幻想だらけの世界も
妄想だらけの舞台も
優越の武器じゃないって
どうか信じさせてよ
想像を奪われないで
絶望で理想を呼んで
偶像に持ってかれないで
そうだろう?

随所に散りばめられた泣き声のようなギターサウンドが強烈な『青』

歌詞も非常に伝わりやすさを重視したようなシンプルな言葉で綴られています。

この動画に寄せられた反応

このバンドは楽器がマジで歌ってるんだよ。そう言う音楽作り本当に上手い。


激しいギターが悲痛な叫び声のように聞こえるのに対して歌声は優しくてどことなく儚い感じもしてその差に引き込まれるし、サビの柔らかいんだけど叫ぶような歌声も耳から離れない…素人丸出しの感想しか言えないけど…

ウィンドミル

ラストは疾走感溢れる『ウィンドミル』

強力なパワーを放ってきた他のロックなトラックと違い、このアルバムが放出しきったエネルギーを最後に拭い去っていくような気持ち良さを持つナンバーになっています。

曲の最後は人生を全力で駆け抜けたwowakaさんの姿と重なるようなこんな言葉で締めくくられます。

愛すべきもの探してんだ
止まってなんていられないんだ
無我夢中の毎日をやって
夢心地の孤独を超えんだ
何もかもをこの一瞬に
集めて弾き飛ばしていつか
必ず終わってくこの命でさえも
このまま超えてゆけ

 

これまでにリリースされた代表曲

ここからは、これまでヒトリエがリリースしてきた代表曲を振り返ってみましょう。

センスレス・ワンダー

ボーカロイドで培った作曲スキルを集約したようなサウンドが展開していく『センスレス・ワンダー』

ヒトリエの知名度を上昇させたナンバーです。

この動画に寄せられた反応

ボーカロイドっぽいというよりは、ボーカロイド界隈でこの人が影響力をそれだけ持っていただけな気もする。


中学の頃にヒトリエを知って、いつかライブ行ってみたいなって思ってた矢先、、本当に早すぎます。ヒトリエはwowakaさんがいないと成立しないんだろうけど3人の演奏をもっと見たい wowakaさんの作る曲をもっと聴いていたかった 。

ワンミーツハー

歌声、ベースライン、ギターとあらゆる角度からフックを聴かせたナンバー『ワンミーツハー』
そんな、目立つエッセンスが詰め込まれた曲でありながら、TOO MUCHにならず、楽曲としての纏まりがある点が素晴らしい!

この動画に寄せられた反応

相変わらず演奏がえぐい。ベースとか指の動きすげぇなって


訃報をきいて、この曲を聴きにきました。wowakaさんを知ったのはこの曲でした。こんな素敵な曲を作れる人が亡くなってしまったんだなと、実際に会ったわけではありませんがすごい虚無感があります。ご冥福をお祈りします。


1番最初にこの曲を聴いて衝撃を受けたことをおぼえています。僕がベースを始めた理由は数あれども、遠因には必ず貴方の曲がありました。ありがとう僕の目標になってくれた人。

ワールズエンド・ダンスホール

米津玄師を驚愕させたというナンバー『ワールズエンド・ダンスホール』

ボーカロイドの初音ミク&巡音ルカの歌声を使用したロックバンドとして斬新なアプローチも、ボーカロイドプロデューサーという経歴があるwowakaにとってはごく自然なことなのでしょう。

この動画に寄せられた反応

wowakaさんは正直誰だろうって今日思いました。そしたらワールズエンド・ダンスホールを作った人(ボカロP)だと気づいて私が本当にすぐテンションが下がったりする時に聞く歌だったのでとても悲しいです。


亡くなったなんて信じらんねぇなぁ…ボカロを好きになったきっかけをくれた思い出の曲をありがとう


wowakaさんはもういないけどプレイボタン押されるたび一人ミュージシャンが蘇る

ボーカルを失ってもそのバンドが消滅するとは限らない!

現時点で、今後のバンド活動に関しては未定と発表されています。「ヒトリエは4人揃ってヒトリエだ」というファンもいれば「これからもバンド活動を継続して欲しい」という声もあることでしょう。

賛否両論あれど、今後の進路を決めるのは、残されたメンバーに他なりません。「バンドなんてボーカルがいなくなったら終わりじゃないか!」と思う人も少なくないでしょう。

しかし、ボーカルを失っても、活動を継続し、現在も多くの音楽ファンに支持されるバンドは存在します。

世界的ロックバンド『QUEEN』を筆頭に、日本では『フジファブリック』などが有名です。

クイーンの場合、近年ではシンガーのアダム・ランバートを迎え、これまでフレディ・マーキュリーと作り上げてきた名曲たちをステージ上でパフォーマンスしています。

といっても、アダム・ランバートがクイーンの正式メンバーになったわけではありません。あくまで、1人のシンガーとして、ステージに招いている形です。

フジファブリックの場合、新たにメンバーを加えたり、ボーカルを招くわけではなく、元々リードギターだった山内 総一郎がボーカルに転身するという形を取り、現在の日本のロックシーンの中心で活動しています。

ヒトリエの残されたメンバーも素晴らしい演奏力を持っており、これからも様々な方向性の音楽活動を展開していくポテンシャルを有しているので、ヒトリエを継続していく可能性も十分あると言えるでしょう。

まとめ

若くしてこの世を去ってしまったロックバンド『ヒトリエ』のフロントマン、woakaさん。

バンドだけでなくボーカロイドを使用した楽曲づくりなど多くの才能を持ち合わせ、この先も彼にしか成し遂げことができなかった偉業が数多くあったのであろうと考えると悔しい思いでいっぱいになりますが、私たちファンにできることは、ゆっくりとでも彼の死を受け入れ、彼と彼が作り上げてきた音楽に感謝し、残されたメンバーの今後の活動を温かく見守ってあげることではないでしょうか?




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