インフルエンサーとしての圧倒的な存在感と直感的なビジネスセンス!
現在、チャンネル登録2千万人超え、55億弱の視聴回数が示すようにEDM系プラットフォームとしては最大級である「NCS」
ロイヤルティフリーに至った経緯、レーベルの人気曲やアーティスト、今後の抱負などを紹介します。
NoCopyrightSoundsとは?
2011年にYouTube初のレーベルとしてスタートしたNCS
ファウンダー、ビリー・ウッドフォードは、インディペンデントのコンテンツクリエイターに向けて、YouTube&Twitchをプラットフォームとしたうえでロイヤルティフリーで曲を使用できるという事を可能にしました。
これにより、クリエイターにつきものだったコンテンツID問題、いわゆる著作権問題(権利者からのロイヤルティ支払請求またはクレームによる動画の削除など)に関して、ストレスフリーな環境(クレジット表記による楽曲使用の自由化)を作り出し、クリエイター、アーティスト、レーベル、出版社とのギャップを可能な限り埋めてきました。
ポイント
結果、彼らの作り出すコンテンツは新たな音楽ファンを生み出し、ストリーミングのみならず、iTunesやSpotify, Apple Musicといったデジタル販売用プラットフォームにおいても大きな実績を作る事になったのです。
ウッドフォードは、今後も、新しい音楽を求めて登場が期待される未来のクリエイター達に、レーベルとしての立ち位置を高め、ビジネス面でもインディレーベルからメジャーレーベルへと成長したい!と若き企業家魂を語っています。
NCSの曲を使う条件
NCSチャンネル内にあるトラックは、そのクレジット表記を前提にロイヤルティフリーになっています。
- トラックネーム
- アーティストネーム
- レーベル(YouTube)URL
- ダウンロード、ストリームURL
動画説明欄などにこれら4つのクレジット表記をすることで、基本的にYouTube & Twitchで音楽が自由に使えて自身のコンテンツで収益活動することもできます。
そういう場合は、トラブル回避のためにもNCSに問い合わせるのが良いでしょう。
ミュージック・ビジネス・コンファレンス:
NCSを語る上で身近なソースとしては、2018年2月にアムステルダムで行われた
が参考になります。
ここでは、レーベルマネジャーであるダニエル・リーがコメンテイターとして自社のバックストーリーを含んだプレゼンテーションを行いました。
リー氏によると、NCSはロイヤルティフリーを通して
- ヴィロガー(vlogger)やゲーマーなどコンテンツクリエイターのサポート
- コンテンツで使われている楽曲のストリーミング(YouTube, Twitch, Spotify, Facebook, SoundCloud)による新たな音楽ファンの獲得
- 従来のレーベル各社が商売として使ってきたデジタル販路(iTunes, Spotify, AppleMusic)における販売実績
などサポート状況および成果を述べています。
Download Gate&Writers Camp
興味深いのは、デジタル上の物物交換みたいな話ではありますが、Download Gateというプラットフォーム上でクリエイターや音楽ファン等がNCSの楽曲をフリーでダウンロードできる代わりに彼らのSNSで
- ファイスブックならグッドボタン
- サウンドクラウドやスポティファイならフォロー
- ツイッターであればリツイート
といった反応を示すことにでアーティストや楽曲をサポートするそうです。
「結局のところ、ファンは自分のお気に入りであるアーティストや曲に対して、自分たちの好きなやり方で応援したいものです。そこで、我々は、彼ら流にアーティストや曲をサポートしてくれるためのプラットフォームを揃えておきたい。Download Gateはその一つです。」(ダニエル・リー)
そして、リー氏が特に力を入れていくと述べているWriters Camp
これはNCSのアーティストとソングライター達のマッチングによる作品作りに一役買えるようなプラットフォームを準備しているそうです。 実際、NCSとしては初になるショーケースも今年行うと意欲を見せています。
NCSの今後
巨大音楽レーベルに成長したNCS
今後の抱負としては主に3点
- NCSによる物販
- ブランドの再構築
- ライターズキャンプ
ミュージックコンファレンスでのプレゼン終了後行われた質疑応答では、いま(運営上)困っている事は何かあるか?
という問いに対して「名前」と答えています。
どういう事かというと、NoCopyrightSoundsを運営していくうちに、レーベル名のノーコピーライトという響きは、まるでNCSはリリース楽曲の著作権を持っていないと思われがちで、名前そのものが誤解を招く紛らわしいものであり、ブランド名を再構築する必要があるという事でした。
また、ファウンダー、ウッドフォードによると、当初はYouTubeレーベルとしてスタートしたが
「商業ベースも踏まえたうえで考えると、もっと様々なプラットフォームでの展開が必要になってきており、アーティストと管理楽曲については、今迄のプロモート体制に加えてビジネスとしても拡げていく必要性は認識している。」
と語っています。
NCSの音楽ジャンル
EDM系と言われるジャンルはほぼ網羅しており、各種ジャンルをチュッパチャプスのごとくカラーリングで分類しています。
- レッド=ドラムステップ
- オレンジ=インディーダンス(EDMっぽくないジャンル)
- イエロー=ハウス(一般に一番知れ渡っているジャンル)
- グリーン=トラップ(メロディアスなラインが特徴)
- ミント=グリッチホップ(アップロード数は低い)
- ターコイズ(鼈甲)=チルステップ(ダブステップでメロディーラインを強化したもの)
- ブルー=ダブステップ
- パープル=フューチャーハウス/ベース
- マジェンタ(ピンク)=ドラム&ベース
- ホワイト=ハードスタイル・エレクトロニック(エレクトロニックは別ジャンルに登場することもあるが、ホワイトリングでの扱い)
- ブラック=IDK(新ジャンルベースハウス&ベースステップ)
NCSで有名なアーティスト
ワールドワイドで知れ渡るようになったAlan Walkerはじめ、Jani 、Tobuなどが人気を博しています。
トラックメーカーとして、現在250以上の登録&リリースがあり
- Unkown Brain
- Petrovision
- CARTOON
等が最近NCS登録アーティストとしての注目株。
プレスコンファレンスではいま勢いのあるインフルエンサー等も紹介されていました。
(NCS l Music FastFoward 2018@YouTube)
NCSの人気曲BEST3
Alan Walker-Fade
Cartoon-On & On
DEAF KEV-Invincible
まとめ
創業から数えで8年を迎えたNCS・・・地球人口の7割近くを占める視聴回数には圧倒されます。
功績として語れるのは、クリエイターを目指す人々にとって権利問題を気にすることなくクリエイティビティーに集中できる環境を整えてくれたレーベルだということです。
これからも新たな才能が開花し、様ざまな夢のあるハプニングが起きる事でしょう。
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