NO NUKES2019タイムテーブル公開!このフェスの意味と楽しみ方を改めて考えよう!

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今月、ある特別な思いが込められた音楽フェスが2年ぶり開催されました。
そのフェスの名は『NO NUKES』

脱原子力発電所という大きなコンセプトに掲げたこのフェス。
東日本大震災による福島原発事故がキッカケで開催されることとなったイベントです。

オーガナイザーは『Yellow Magic Orchestra』(イエロー・マジック・オーケストラ)で日本の音楽が世界に通用することを証明した坂本龍一

他にも『ASIAN KUNG-FU GENERATION』の後藤正文や『BRAGHMAN』のTOSHI-LOWなど、震災以降の東北や原発問題にアクションを起こしてきたアーティストたちが協力し、成し遂げられてきました。

なぜに2年の休止期間を経て、震災後から8年を迎えた今年に復活したのか、その意味を考えながら、出演アーティストやタイムテーブルなどをご紹介しましょう。

日程

NO NUKES 2019
3月23日(土)開場 12:00 開演 13:00
3月24日(日)開場 12:00 開演 13:00
会場:豊洲PIT (東京都江東区豊洲6丁目1-23)



『NO NUKES』に込められた思い

「nuke」(ニューク)とは核兵器から原子力発電所まで、原子力に関わるものを意味する言葉です。
つまり、このフェスの『NO NUKES』という名前は「原発ゼロ」と訳すことができ、このイベントの込められた思いがダイレクトに名前にも表れていることが分かります。

以下の文章は、オフィシャルサイトに記載させている文章です。

福島第一原発の事故があった翌年の2012年に、この音楽イベントNO NUKESはスタートしました。あの未曾有の大惨事から8年。現在でも福島では帰宅出来ない多くの人々が避難生活を続けており、地域は様々な形での分断と孤立を余儀なくされています。

その一方、全国で原発の再稼働がなし崩し的に進められ、この2年間でも、関西電力の高浜・大飯、九州電力の玄海と続き、日本原電の東海第二も再稼働に向けて走りだそうとしています。

また九州電力は先月、一部の太陽光発電を一時的に止めました。ブラックアウトを避ける為の供給調整との事でしたが、原発が優先され、太陽光発電がその調整弁にされるという、この本末転倒の施策は記憶に新しいと思います。 多くの人はこうした状況に反発する意識を持ちながらそれを表明する手段を持ちません。

そして、なんとなく原発の再稼働は容認せざるを得ないという空気が世の中全体を支配しています。この2年間、それが加速している事は深刻な問題です。

あらためて言いますが、原発は危険です。そして、溜まり続ける放射性廃棄物の最終処分は現代の科学では不可能なのです。 2018年末の現在、こうした現実をもう一度皆さんに考えて貰い、問題意識を持って貰うきっかけを作る事が、NO NUKES 2019という音楽イベントを開催する目的です。 是非、今回もたくさんの方に参加して欲しいと思います。

主催者側やアーティストからのメッセージの中にも、「音楽を楽しみましょう」といったようなメッセージは含まれず、シリアスなフェスであることが分かります。

また、他のフェスではまずないであろう、アーティスト同士の原発に対する意見を交換するトークセッションをオーディエンスの前で行われるというコーナーも設けられており、コンセプトにたがわない内容となっています。

音楽やトークを通して、原発に関心のない若い世代などに、原発について考えてみる機会を与えること目的としたイベントなので、音楽だけでなく、アーティストの原発に対する意見にも耳を傾けて、少しでも良いので原発についてもう一度考えてみましょう。もちろん、音楽は存分に楽しんで構いませんし、「原発は絶対必要だ!」という意見の人が参加することにも意味があると思います。

なお、このフェスで生まれた収益の一部は寄付されます。
前回のNO NUKES2017で発生した収益の一部は「福島県の児童養護施設の子供の健康を考える会」に寄付されました。



NO NUKES 2019 タイムテーブル

3月23日(土)
13:00~Gotch
14:05~トークセッション
15:30~NAMBA69
16:35~ストレイテナー
17:40~いとうせいこう is the poet
18:45~BRAHMAN
19:50~the HIATUS

3月24日(日)
13:00~トークセッション
14:25~Yogee New Waves
15:30~坂本龍一+大友良英
16:35~サンボマスター
17:40~Nulbarich
18:45~ACIDMAN
19:50~ASIAN KUNG-FU GENERATION



NO NUKES 2019 出演アーティスト

それでは出演アーティストをご紹介していきましょう。

坂本龍一

上で紹介したように、『Yellow Magic Orchestra』の一員として、世界基準の音楽をリリースしてきた『坂本龍一』
多岐にわたる活動を行っており、『戦場のメリークリスマス』では音楽を手掛けるだけでなく、俳優としての才能も発揮しています。

このフェスのオーガナイザーであり、3.11以降は多くの集会などで、自身の脱原発への姿勢を明確に示しています。
もちろん、ステージでアクトするアーティストの1人でもあり、トークセッションにも参加します。

坂本龍一の代表曲のひとつ『energy flow』

過去、未来、不安、希望などあらゆるものを感じ取れる神々しい1曲です。

この動画に寄せられた反応

切なくも美しい。そんな曲。大好き。


感じたのは未来に対する恐れや不安。この曲独特のリズムが僕の背中を押してくれる前向きにさせてくれる。


なんという映像美と坂本龍一の奏法

ASIAN KUNG-FU GENERATION

『NO NUKES』に毎回出演している『ASIAN KUNG-FU GENERATION』(アジアン・カンフー・ジェネレーション)
東日本大震災直後から、精力的に復興支援を展開してきたアーティストです。

震災後にリリースされたナンバー『踵で愛を打ち鳴らせ』

苦境の中でも「生きる希望」や「光」は必ず存在することを示唆するようなポジティブなバイブスのある曲です。

オールウェイズ
夢のない街まで繰り出して
オールウェイズ
踞るいつかの君もそう

オールウェイズ
冴えないあの娘を連れ出して
オールウェイズ
踵で愛を打ち鳴らそう

この動画に寄せられた反応

アジカンはどこまでも進化していくよなぁ。リアルタイムであえてよかったよ。


辛いことを笑い飛ばせるような


今日もアジカンは音楽を武器に闘います 。

 

ACIDMAN

2013年のNO NUKESから参加しているオルタナティブロックバンド『ACIDMAN』(アシッドマン)
命とは何かを常に問題提起してきたアシッドマンもNO NUKESには必要なバンドと言えるでしょう。

故人の追悼の意志が垣間見れるナンバー『愛を両手に』

幸せだったかい?
幸せだったかい?今でも
星に重ね 思い出すよ
あなたが生きた証がある
この命で 抱きしめるよ
愛を両手に

「幸せだったかい?」という問いに、先立って言った人たちの姿が頭の中に浮かび上がります。

この動画に寄せられた反応

プリズムの夜や季節の灯とかバラードはあるけど、これも代表的なバラードとして古参のファンも認めていいレベルだよ。愛だの言って欲しくないっていうコメントあったけど、なんもぶれてないよ。愛や宇宙、生命について歌ってるACIDMANらしい素晴らしい曲。


愛犬や、事故でなくした親友に聞きたくなる幸せだったかいと。この曲聴くと心に来る


子を持つ親の身になってこの曲を聴くと泣けて泣けて…

 

Gotch

『ASIAN KUNG-FU GENERATION』のフロントマンであり、このNO NUKESの重要人物の1人である後藤正文のソロプロジェクト『Gotch』(ゴッチ)

シティーポップやカントリーの感触があるアジカンとは一味違ったサウンドを、リラックスしながら自由に表現するその音楽はよりオーガニックで温かく、中毒になること間違いなし。

ポイント

元々、このソロプロジェクトも被災地へのエールと、日本の未来や被災地の現状を発信するためのメディア『THE FUTURE TIMES』の印刷代、運営資金を得るために曲を後藤正文自ら楽曲を制作し始めたところから始まったものです。

ソロプロジェクトのスタートとなったナンバー『LOST』

悲しみにくれたような楽曲とは真逆のテイストながら、確実に「忘れてはいけない出来事」や「風化させてはいけない物事」についての曲となっています。

 

NAMBA69

難波彰浩率いる3ピースパンクロックバンド『NAMBA69』(ナンバシックスティーナイン)

パンクバンド『Hi-STANDARD』で一躍、日本の音楽シーンに乗り込み、その圧倒的な存在感を示した難波彰浩が2013年に結成したこのバンド。

難波もまた、第1回のNO NUKES2012からこのイベントに参加。NO NUKES2014では喉の不調により、出演をキャンセルし、緊急入院するなどの困難を乗り越えながらも、このフェスに貢献し続けるアーティストです。

スカなどの要素を取り入れた疾走感溢れるナンバー『MANIAC』

きっと彼らは、涙を誘うバラードではなくこういった曲で、オーディエンスを鼓舞してくれるのではないでしょうか。

この動画に寄せられた反応

スカのリズムに、ブレイクダウンに、ブラストビートに、シャウトに、ツインボーカルに、と凄く盛り込まれてるのにとっちらかってない。しかもメロディも哀愁があってかっこいい。


個人的に難波ってずっとハイスタ引きずってる感があって微妙だったんだけど、この曲聴いてるとなんか難波が吹っ切れたっていうか覚醒したっていうか、やっと独り立ちできた感じがしてとても嬉しいし、この曲すげーカッコイイ!


これやべーな

 

ストレイテナー

今回初出場となる4ピースロックバンド『ストレイテナー』
ストレートなギターロックから、オルタナティブなディスコチューンまで、その音楽性は多彩を極めます。

震災後は各メンバー、被災地にライブハウスを建設し音楽を通して、アーティストと被災者を繋ぐ活動「東北ライブハウス大作戦」などに参加するなど復興に貢献しています。

未来は「今」なんだというメッセージを声高らかに歌うナンバー『The Future Is Now』

未来をさあ見に行こう
過去を変えていく未来を
いつかきっと解るんだ
その未来は今なんだ

辛く悲しい過去に意味を持たせるのは今と未来しかないと再認識させられる言葉たちが並びます。

この動画に寄せられた反応

昔テナーを聴いたとき正直この独特のメロディラインがしっくり来なかった。四年ぶりにテナーの色んな曲を聴いていったらどれも名曲ばかりだった。


ラジオで凄く素敵な曲と初めてストレイテナー知りました。声、綺麗ですね☆他の曲も聴いてみたい。


OMG I'VE FOUND IT!!! (なんてこった。見つけちゃったよ!!!)

 

BRAHMAN

1995年に結成されたハードコアや民族音楽を融合させた独自のサウンドで、根強い人気を誇る『BRAHMAN』(ブラフマン)

坂本龍一や後藤正文同様、被災地の復興や脱原発運動に力を注ぐバンドのひとつです。

特に、フロントマンのTOSHI-LOWは、自ら何度も被災地に足を運び、救援物資などを被災者に配るなど、体を張ったアクションを起こしています。

東北への悲しみ、政府への怒りなどBRAHMANの音を通して聴く者すべてに届ける『鼎の問』(かなえのとい)

NO NUKESでも高い確率で演奏されるであろうこの曲。参加する人は是非とも全身で受け止めて欲しい1曲です。

この動画に寄せられた反応

BRAHMANをあまり知らない、嫁さんがライブで鼎の問を聴いて号泣してた。益城町で見た事や、東北の事を思ったんだろう。忘れてはいけない事の為にも、この曲は必要 。


2018のAIRJAMで、1人スタンドで号泣してました。絶対あの記憶は風化させてはいけない。


すごく好きな曲だけど、これをBRAHMANが歌わなくてもいいような日本になるように、なりますように。

the HIATUS

元々は細美武士のソロプロジェクトとして発足した『the HIATUS』(ザ・ハイエイタス)
入り組みながらも壮大なそのサウンドスケープは洋楽にも引けを取らないクオリティーです。
NO NUKESには第1回から度々参加しています。

細美武士はTOSHI-LOW、後藤正文と共に献身的に復興支援に力を注いできた人物です。
TOSHI-LOWとのユニット『the LOW-ATUS』として、被災地に音楽を届けるなどの活動も行っています。

ハイエイタスの初期のナンバー『The Flare』

強烈な温度感に圧倒されてしまいます。

Bend the lens and face what's never seen 
Clone the doubts and find what' buried here

(和訳)
レンズを曲げて 今まで見えなかったものに目を向けて
懐疑心を増幅させて 足元に埋められたものを探し当てる

いま我々が見ているものは真実ではなく、疑念を持って本当の真実に向き合う必要があるのではないかというメッセージが伝わってきます。

この動画に寄せられた反応

今年はハイエイタスも10周年ですね!おめでとうございます☺︎新しいアルバム期待してます!!


ハイエイタスは音のクリエイティブアートだと思う唯一無二だから他のアーティストとの比較も何も無いよ。


なんてかっこいい大人たちなんだ。。!

いとうせいこう is the poet

タレント、コメンテーター、俳優、小説家として活躍する、いとうせいこうのダブポエトリーのユニット『いとうせいこう is the poet』

ダブポエトリーとは即興音楽の中で、詩を読んでいき、音楽と詩の融合を体現するという、スタイルを指す言葉です。

いとうせいこうは、原発関係のみならず、社会的な活動を積極的に行うクリエイターで、このイベントにも以前から協力しています。

Yogee New Waves

いま注目の4ピースバンド『Yogee New Waves』(ヨギー・ニュー・ウェーブス)
山下達郎やフリッパーズ・ギターのようなシティー・ポップや、はっぴいえんどのようなフォークを彷彿させるそのサウンドは若者だけでなく、80~90年代の音楽ファンも満足させてしまいます。

どこか懐かしくも、決して古くはない。そんな絶妙なラインのトラック『CLIMAX NIGHT』

こういった曲を意図的に作るのは容易ではなく、各メンバーが聴いてきた音楽などが大きく関係しているのでしょう。

この動画に寄せられた反応

最近のシティポップは、suchmosといい、ceroといいなかなかいいね!


新しいけど懐かしい、ファッションも音楽も巡り巡るけどそのたびに新しいエッセンスを取り入れて進化してる。


この曲に出会ったから、私の人生はちょっとだけ救われました。この曲に出会ってから、私は少しだけ優しくなれた気がします

サンボマスター

日本語ロックのパイオニア的な存在3ピースバンド『サンボマスター』

初出場の彼らですが、悩める人間や周囲に迎合できない人達を救済するメッセージを発信し続けきたサンボマスターは、このフェスのアクトに相応しいと言えるでしょう。

ポイント

ボーカルの山口隆自身、福島県出身ということもあり、NO NUKESにも特別な思いで参加することでしょう。

エネルギーを一度内側で凝縮し、放出したようなサウンドの『輝きだして走ってく』

これからアクションを起こそうとしている人間の背中を押してくれるこの曲もNO NUKESでも意味のある曲となるでしょう。

この動画に寄せられた反応

サンボマスター好きな人に悪い奴はいないよなあって偏見、分かってくれる人おらん?笑


なんかスピーカーじゃなくてイヤホンから聞きたい曲だなー。自分だけを応援してくれる感じ。たまらん。


サンボマスターの曲とPVはほんとに力をくれるほんと大好き!

Nulbarich

2016年に結成されたばかりの5ピースバンド『Nulbarich』(ナルバリッチ)
といっても、ボーカルのJQ以外はメンバーが固定されておらず、謎の多いバンドであります。

こういったニューカマーがNO NUKESで発言することで、これまで原発問題に関心がなかった人たちも意識を向けるキッカケになることでしょう。

アネッサのCMソングとして高い知名度を誇るナンバー『Kiss You Back』

サビで広がりを見せるこの曲は、閉塞感を吹き飛ばすかのようなエネルギーを秘めています。

この動画に寄せられた反応

爽快感あってシンプルな演奏にキャッチーなメロディージャミロクワイ風な方向だけじゃないんだと思った一作


モンバスで初めて生で聴きましたが良い意味で会場の空気ががらっと変わってて衝撃を受けました!


これほんとに日本のバンド??って感じよね

まとめ

特別なコンセプトを持つ音楽フェス『NO NUKES』

好きなアーティストが出演するから参加するという人も多くいると思いますが、そんな人も一瞬で構わないので、アーティストの発するメッセージについて考えてみてください。

その結果、脱原発に賛同できないという結論に至っても構わないです。意見を持つということが大事なのです。

これまで、原発に何も考えたことのない人にとっては、考えを持つ機会となり、深く考えてきた人に取っては自分の意思を再確認する機会に、そして、被災地の人達に取っては、声を大にして味方になってくれるアーティストとオーディエンスがいることに安心できるイベントになることを望むばかりです。

ただ、一番望ましいのは、アーティストとオーディエンスが一丸となって、このようなフェスが無くなる未来を作ることだと思います。




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