ひとむかし前はベースというと、地味でバンドを組んでベースに割り当てられると、何だか貧乏くじを引いたみたいなイメージがあったパートでした。
しかし、沢山の先人が名演を残してくれたこともあって、今では最初から「ベースやりたい!」という人も増えてきたのではないでしょうか。
ここでは洋楽曲に絞り込んで、ロック、ファンク、ポップスなど様ざまなジャンルに渡ってベースラインが印象的でカッコいい曲20選をご紹介します。
もくじ
ベースがかっこいい曲 ロック編(6曲)
Jet - Are You Gonna Be Girl
オーストラリアのロックバンド、ジェット。
iTunesのコマーシャルにも起用された王道のロックチューン。ベース最大の役割であるボトムをキープしながら曲を盛り上げていきます。
ギターとベースが重なり合う瞬間に飛び込んでくるボーカルがロック!
George Baker Selection - Little Green Bag
続いてオランダ出身のジョージ・ベイカー。
オランダというとEDMフェスが有名ですが、それ以前はロックスターが沢山生まれた国です。この曲も元々は1960年代後半にリリースされたロックチューン。
最初に世に出てから20年ほどして映画「レザボアドッグス」に使われ再ブレイク!
イントロから聴けるベースラインは一度聴いたら忘れられないというくらいインパクト大で、このラインがなかったらヒットしなかったかもしれません。
日本でもウイスキーのコマーシャルに起用され大ブレイクしました。いまやスタンダードと言えるほどのクオリティで最近でも飲料系のコマーシャルで掛かっているのを耳にします。
The Beatles - Penny Lane
ザ・ビートルズの全盛期だった頃にリリースされたペニーレイン。
親しみやすいポップなメロディーを支えながらも存在感抜群なベースラインです。
ベーシスト、ポール・マッカートニーは、ジャズによく出てくるウォーキングベースという奏法を駆使して弾むようなノリを持たせています。
楽曲そのものをグイグイと引っ張っていく感じが魅力的。
Cream - Sunshine Of Your Love
サイケデリック・ロック、ブルース・ロックが人気だった頃に最高峰だったクリーム。
トリオ(今でいうスリーピース)編成とは思えない重厚な音づくりが特長で
ベースのジャック・ブルースはアンプのボリュームをフルテンにした太く、大きく、歪んだ音でギターのエリック・クラプトンを煽る攻撃的なベースラインを奏でています。
荒々しいベースを弾きながら歌も歌ってしまうジャック・ブルースは、まさに楽器と一体化しており、自分が言いたい何かをベースという楽器を通して伝えている感じです。
ジャックのライブに初めて行ったとき、じかに聴くボーカルがあまりにパワフルで気絶しそうになったことを今でもよく覚えています。まぁ、それくらい迫力満点だったという事をお伝えしようと思いました(^_^;)
Aerosmith - Sweet Emotion
イントロから印象的なベースラインで、このフレーズがなかったら曲が薄っぺらになってしまい、完成しなかったと思われるほどのカッコ良さとグルーブを持ち合わせています。
Green Day - Longview
Green Dayのベースは、シンプルでとても分かりやすく、それでいてロックなノリを十二分に醸しだす面白いラインが特長です。
加えて、曲全体のイメージをしっかりと引き締めたものに仕上げているところが素晴らしい。
ベースがかっこいい曲 ディスコミュージック編(4曲)
Earth, Wind & Fire - September
1970年代中盤以降に大人気だったディスコミュージックでは、グルーブを生み出すベースはなくてはならない重要なパートでした。
フレーズ自体は細かいビートの中で大きなうねりを作り出すフレーズが沢山出てきたのもこの頃です。
Chic - Good Times
チャカチャカチャカとバックに忙しそうなギターが響くなか、どっしりした重たいベースがビートを刻んできます。
ダンスミュージックとしてスタンダードなシックのグッタイムスは今でもベーシスト必須科目の一曲です。
Queen - Another One Bites the Dust
1970年代に流行っていたディスコミュージックは、そのテイストから好き嫌いが別れるジャンルでした。この音楽性に抵抗するロッカーもいた反面、ディスコを自分たちのレパートリーに巧みに取り入れて大成功したロックグループもいます。
そのロックグループとは、映画「ボヘミアンラプソディ」が絶好調なクイーンの「地獄に道ずれ」です。
クイーンの伝記映画「ボヘミアンラプソディ」のサントラ収録曲を徹底解説
ベーシスト、ジョン・ディーコンのパンチのあるベースラインが一発で曲を彩ります。このベースに絡んでくるフレディー・マーキュリーのボーカル、ブライアン・メイのギターカッティングが合わさるとゾクゾクしてきます。
それに、この曲を知らない世代でもベースラインは知っているまたは聞いたことがあるというほど有名です。 音楽って素晴らしいですね。
KISS - I Was Made for Lovin' You
ディスコミュージックのテイストを取り入れながら、しっかりと自分たち流に消化し大成功したロックバンドがもうひとつあります。
派手な衣装や化粧を武器にハードロックバンドとして既に人気があったキッスです。
ジーン・シモンズの弾くディスコ調のベースラインはロック界では評価が別れましたが、このベースラインは分かりやすくカッコいいという感じがぴったりで、この曲のヒットによってキッスは新しい自分たちのファン獲得に成功しました。
ベースがかっこいい曲 プログレッシブ・ロック編(3曲)
大概のロックミュージシャンがながい髪をなびかせていた時代。髪だけじゃなく曲もクラシックの組曲みたいに長くて複雑なロックが人気だった時がありました。
ピンク・フロイドというと、曲は知らないし、聴いたこともないけれどグループ名は知っているというくらい知名度が高いです。
Money - Pink Floyd
ここで紹介する「マネー」は、俗にいうプログレといわれるジャンルながら、とてもポップな曲調です。「マネー」は奇数拍子(変拍子)で作られており、難易度の高い曲ながら、なぜかイージーリスニングポップスでも聴いているような軽やかさがあります。
これは、ひとえにロジャー・ウォーターズの弾くベースラインによるものでしょう。
曲の拍子は小難しくとも、そう感じさせないわかりやすいベースラインがこの曲の持ち味です。
さすがワールドワイドで有名なグループだけあります。
Tarkus - Emerson, Lake & Palmer
一方、こちらはかなりマニアックなベースラインが曲のイメージを決定づけています。
NHK大河ドラマ「平清盛」でオープニングテーマとして日本の作曲家がカヴァーしていました。マニアックなテイストながら特に日本では根強いファンが支持しているパワートリオのエマーソン・レイク・アンド・パーマ。
冒頭のベースラインはオルガンのフレーズが元になっているのですが、マニアックなのに段々カッコいい気分が盛り上がってくるという音楽のもつ中毒性を代表する様な不思議な魅力を持った曲です。
Yes - Roundabout
TVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングに使われていたイエスの「ランドアバウト」。
硬質なトーンでアグレッシブなベースラインを弾きまくるクリス・スクウァイア。
なぜこの曲がエンディングに採用されたのかは知りませんが、アニメ共々マニアックでカッコいいというのが共通点だったのかもしれません。
ベースがかっこいい曲 ポップス編(2曲)
I Want You Back - The Jackson 5
キング・オブ・ポップのマイケル・ジャクソンが在籍していた兄弟グループ、ジャクソン・ファイブ。冒頭からノリノリで、始めから終わりまでたっぷりとポップでカッコいいベースラインが満喫できます。
カッコいいベースラインってのはなぁ、こうやって作るんだよ!!
っと、身体で覚えさせてくれるが如くです。
Rickie Lee Jones - Danny's All Star Joint
思わず指を鳴らしたくなるようなリズミカルなベースラインで始まるリッキー・リー・ジョーンズの一曲。他の楽器がたまにしか聴こえてこないくらいベースが主役を張っています。
ある意味、ベースとボーカルのデュオといっても差し支えないカッコ良さです。
ベースがかっこいい曲 ベースソロ編(5曲)
ここで取り上げるヒットソングの中にはベースソロがフィーチャーされています。
こうなると、ベースはひとつも地味な楽器ではないと言えますね。
The Power Station - Get It On (Bang A Gong)
まずはグラムロックのTレックスをカヴァーしたザ・パワーステーション。
先に取り上げたChicのベーシスト、バーナード・エドワーズがプロデュースしており、間奏に炸裂するカッコいいベースソロも彼が弾いています。
とてもシンプルなフレーズなのに、間の取り方が最高でリスナーのハートを鷲掴みします。
Paul Simon - You Can Call Me Al
フォーク色の強かったポール・サイモンが心機一転、アフリカンビートを盛り込んだポップスをヒットさせました。
これに一役買ったのが、全編を流れる流暢なベースライン。そして、曲のブレイク地点にハッとさせられるベースソロが登場します。
ちょっとした心地よい驚きをもたらしてくれるソロで、曲のスパイスとして重要なポジションを占めています。
Rod Stewart - Hot Legs
男の色気満載なロッド・スチュアートのヒットナンバー。
人生そのものがロックなロッドですが、支えるバックバンドも最高で、どのパートも一流揃い。この曲でも間奏でリズム感抜群なベースソロを堪能できます。
Good Times Bad Times - Led Zeppelin
何世代にも渡って影響を及ぼし続けるレッド・ツェペリンのファーストアルバムで一曲目を飾る「グッタイムズ・バッタイムズ」。当時あったサイケデリック、ハードロックがトレンドだった時代の空気がそうさせたのか、各メンバーが若いにも関わらず、出てくる音はとても渋く重い。
この曲の中間に出てくるベースソロも20代の若者が弾いているとは思えない大人っぽくカッコいいフレーズが出てきます。
The Who - My Generation
1960年代は様々なカルチャーが混ざり合い、何か新しい変わったことにチャレンジする勢いが強かった時代でもあったようです。
面白そうなことは何でも試してやろう!!という希望に満ちた風土があったのでしょう。さぁ、ここでもザ・フーのヒットソング「マイ・ジェネレーション」中間部でロックミュージック史上初のベースソロを聴くことができます。
ベースマン、ジョン・エントウィッスルの弾くベースソロは、音の低いギターソロという感じでいわゆるど派手な速弾きが聴けます。
まとめ
曲のイメージを印象付ける重要なポジションであるベース。ドラム同様、リズムの土台がしっかりしているバンドほど音が良いと言われています。
セレクションはレトロ感が多少否めませんが、それでも最近活躍のニューベースタレントたちに影響をもたらしたことは言うまでもありません。
曲名やアーティスト名は知らないけれど、「このベースラインきいたことがある!」なんていうフレーズもあったのではないでしょうか。
最後にオンライン・ベース・レッスンでは視聴回数、登録者数がナンバーワンといえる、
Scott's Bass Lessonsのリンクを貼っておきます。
スコットは1930年代に遡ってベース、弾き手、音楽性の歴史を遡って解説しています。解説は英語ではありますが、動画を見ているだけでも参考になることが多いです。
THE BASS 1935 - 1969 | The Players You Need to Know
THE BASS 1970 - 1979 | The Players You Need to Know
お気に入りの一曲を見つけて、是非ともあなたのフェイバリット・プレイリストに加えてみてください。